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目録ID ku004020
タイトル. 版. 巻次 氷塊
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花溢れゐき
氷塊
たひらかな一日を賜へわれのゆくビル見えたれか窓をあけゐる
ゆくりなく日の差してをり君子蘭の花失ひて久しき鉢に
病院へ行く時間来て幾つもの電話鳴りつぐ部屋よりのがる
前をゆく車より洩れわが背筋をむしばむやうな裏声の唄
間をおきてときめき光り稲妻の音なく遠く移ろひゆけり
身を防ぐ偽りのみは許されよゆきかひしげき午後となりつつ
風呂敷に氷塊を包み買へる見つ母などの病む少女ならむか
使ひ方を知らぬ秤の棚にあり何にこだはり朝より思ふ
わが持たぬ技能の一つ区切りつつ点字読みゐる隣室のこゑ
どんな火も消されてしまふと棕櫚を打つ雨聞きながら暫らくはゐつ
笑ひ声の高きことなど母に似るわれと思ひて人と並みゆく
去年の蝶今年の蝶と分きがたくサングラスのなかにいつまでも舞ふ
失ふに惜しく残れる何あらむすり抜けて行く夜の人ごみを
身をよぎるよろこびも今はかすかにて綿雲の浮く空思ひゐつ
いくたびも沈みては浮く夢のなか沈みきりたくなりて沈みき
ひとり身を照らし出されぬヘッドライトの穂先が棒の如く伸び来て
木犀の根づきしさまを見届けて安らぎのふと失意に似たる
樫の木に触れて別れし日を遠く逝けることさへ知らず過ぎにき
逃げ切れむわれと思はず逃げてゆく心のさまもまざと夢見つ
失ひし視力の不意に戻り来て織女の星など見ゆる夜無きか