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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
雲多き日々(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku004023
タイトル. 版. 巻次
雲多き日々
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
花溢れゐき
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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編著者(カナ)
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地名件名(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
花溢れゐき
雲多き日々
咲き残るひなげしの白地のひびき空のひびきにさとき花びら
もの縫ひて二階にあればさまざまの地上の音のわれに集まる
みづからの手では滅ぶなといふ言葉思ひ出づるはいかなる時か
昼のサイレン聞こえてゐしが野を遠く積み木のごとき貨車流れゆく
少年の義足のあとを歩みつつ曲り角までしばらく間あり
思ひ来しことの途切れて黒んぼのマヌカンが立つ店先を過ぐ
もとのわれに戻りて歩む夜の道吹かれゐるものみな音を立つ
帰り来てもの言ふとせぬわれを措き光るまでタイルを磨く妹
泥のごとき雲ばかり見てゐし夢の醒めつつ風の音がひろがる
青柿を拾へば土の冷え持てり何に朝より苦しきわれか
駆けこみて来し人の息しづまらぬままトンネルに入りゆく電車
ややありて筆談に移るさま見つつ人を待つ間の次第に長し
稀薄なる思ひにゐしが黒き傘不意にすぼめて人の入り来る
雲多き日々となりつつ黄の花粉こぼして終るマーガレットも
橋の上を風過ぎむとし青鳩の逃ぐる構へを見せてとどまる
曇り日にかぎろひわたる丘の上白き穂わたのひとところ舞ふ
ふり向けばいつの間に来て草むらに音もなくゐるシャガールの牛
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花溢れゐき
雲多き日々
咲き残るひなげしの白地のひびき空のひびきにさとき花びら
もの縫ひて二階にあればさまざまの地上の音のわれに集まる
みづからの手では滅ぶなといふ言葉思ひ出づるはいかなる時か
昼のサイレン聞こえてゐしが野を遠く積み木のごとき貨車流れゆく
少年の義足のあとを歩みつつ曲り角までしばらく間あり
思ひ来しことの途切れて黒んぼのマヌカンが立つ店先を過ぐ
もとのわれに戻りて歩む夜の道吹かれゐるものみな音を立つ
帰り来てもの言ふとせぬわれを措き光るまでタイルを磨く妹
泥のごとき雲ばかり見てゐし夢の醒めつつ風の音がひろがる
青柿を拾へば土の冷え持てり何に朝より苦しきわれか
駆けこみて来し人の息しづまらぬままトンネルに入りゆく電車
ややありて筆談に移るさま見つつ人を待つ間の次第に長し
稀薄なる思ひにゐしが黒き傘不意にすぼめて人の入り来る
雲多き日々となりつつ黄の花粉こぼして終るマーガレットも
橋の上を風過ぎむとし青鳩の逃ぐる構へを見せてとどまる
曇り日にかぎろひわたる丘の上白き穂わたのひとところ舞ふ
ふり向けばいつの間に来て草むらに音もなくゐるシャガールの牛