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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
花溢れゐき(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku004031
タイトル. 版. 巻次
花溢れゐき
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
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花溢れゐき
タイトル関連(カナ)
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関連目録
花溢れゐき
花溢れゐき
血のうすき感じに著莪の花咲けり今朝はまとへるコートが重し
ゆれゐるはドアの硝子と気づくまで身すがら揺れてわれの立ちゐつ
くぐまりてつくづくと見て買ひゆけり幾つつぼみを持てる皐月か
坂道に汗ばむ季節少女らの制服ばかり黒くかたまる
風に鳴る造花の桜見られゐる感じ背中にありて歩めり
のばしつつたるませつつ電線を張りゆけり仰ぎゐて声を放つ者なし
母の死ののちの年月思ほへばいづれの部屋も火を置きをらず
手の届くところに辞書を立てしより思ひ直して机に向ふ
何待ちてゐしかと思ふ夜の更けに水車はゆるく廻りはじめぬ
いつの日に長崎絵にて見し船か人買ひ船と母は教へき
首太きモジリアニの女乗りくると思ふときのま揺られて目ざむ
次々に砂糖のポット廻しつつたれかがものを言ひ出づる待つ
垣内は卯の花ざかりはすかひのカーブミラーに雨降りながら
人ひとり忘れ得べしや濃みどりの服地探して街をゆく日も
桃の木は葉をけむらせて雨のなか共に見し日は花溢れゐき
能面のごとくに顔を塗りて見つ少し笑へば物狂めく
トランプの一枚を今抜かしめよグラスの水のかすか泡だつ
病む犬を病院へ伴ふ幾日に路地変へて幼稚園のあることも知る
ブロックの塀の高さをやや抜きて今年の柘植の若葉萌えたり
めざましのオルゴール鳴り終るまで鳴らして妹の目ざむるを待つ
窓枠にしばしとどまる蜉蝣の凍れるごとしガラスに透きて
朝よりのタイプに倦めば万葉の歌をローマ字に打ちてなぐさむ
隣より洩れくる議事のはげしきにひとりの声を聞き分けてゐつ
爪切りてややになごめる夜のこころ後生といふはいかなる生か
たまひたる胡桃握りて鳴らしつつ区切りつけたきことの身にあり
用なさぬ弁証法と思ふときわが脈膊のどこか乱るる
遊歩路に灯の入れる見つつ帰りゆくたのむ思ひもかそかになりて
夜の明けの地震に醒めゐて生き死には一如といへる思ひに遠し
声の出ぬ夢を幾夜も見続けて言ひたきことの模糊溜まりゆく
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花溢れゐき
花溢れゐき
血のうすき感じに著莪の花咲けり今朝はまとへるコートが重し
ゆれゐるはドアの硝子と気づくまで身すがら揺れてわれの立ちゐつ
くぐまりてつくづくと見て買ひゆけり幾つつぼみを持てる皐月か
坂道に汗ばむ季節少女らの制服ばかり黒くかたまる
風に鳴る造花の桜見られゐる感じ背中にありて歩めり
のばしつつたるませつつ電線を張りゆけり仰ぎゐて声を放つ者なし
母の死ののちの年月思ほへばいづれの部屋も火を置きをらず
手の届くところに辞書を立てしより思ひ直して机に向ふ
何待ちてゐしかと思ふ夜の更けに水車はゆるく廻りはじめぬ
いつの日に長崎絵にて見し船か人買ひ船と母は教へき
首太きモジリアニの女乗りくると思ふときのま揺られて目ざむ
次々に砂糖のポット廻しつつたれかがものを言ひ出づる待つ
垣内は卯の花ざかりはすかひのカーブミラーに雨降りながら
人ひとり忘れ得べしや濃みどりの服地探して街をゆく日も
桃の木は葉をけむらせて雨のなか共に見し日は花溢れゐき
能面のごとくに顔を塗りて見つ少し笑へば物狂めく
トランプの一枚を今抜かしめよグラスの水のかすか泡だつ
病む犬を病院へ伴ふ幾日に路地変へて幼稚園のあることも知る
ブロックの塀の高さをやや抜きて今年の柘植の若葉萌えたり
めざましのオルゴール鳴り終るまで鳴らして妹の目ざむるを待つ
窓枠にしばしとどまる蜉蝣の凍れるごとしガラスに透きて
朝よりのタイプに倦めば万葉の歌をローマ字に打ちてなぐさむ
隣より洩れくる議事のはげしきにひとりの声を聞き分けてゐつ
爪切りてややになごめる夜のこころ後生といふはいかなる生か
たまひたる胡桃握りて鳴らしつつ区切りつけたきことの身にあり
用なさぬ弁証法と思ふときわが脈膊のどこか乱るる
遊歩路に灯の入れる見つつ帰りゆくたのむ思ひもかそかになりて
夜の明けの地震に醒めゐて生き死には一如といへる思ひに遠し
声の出ぬ夢を幾夜も見続けて言ひたきことの模糊溜まりゆく