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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
雲の地図(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku005003
タイトル. 版. 巻次
雲の地図
タイトル. 版. 巻次(カナ)
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雲の地図
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関連目録
雲の地図
雲の地図
襟あしの荒れたる感じ身に残る楡のこずゑの風凪ぐときに
うづくまるいづこもわれの流刑地草抜けば草の臭ひがのぼる
地に低く視線向く日とさびしみて枇杷の花散るところを過ぎぬ
蝉殻に残る筈なき生きもののほてりを呼びててのひらに乗す
気づかれぬやうに通りぬさわだちて人々の寄る橋のかたはら
硝子戸にまばらにあたる雨の音死にたる魚は鱗しづけし
家にゐて職場にありてわが思ひ不意に短く喘ぐことあり
口径のかすかに一つ一つ違ふワインのグラス伏せてゆくとき
遠き雲の地図を探さむこの町をのがれむといふ妹のため
ひび入りの卵割りたる音の下思はぬ明るさに黄味の飛び出づ
犬と歩みくまぐまを知れる川原に今朝はまだらに雪の積もれる
噴水に遠くはなれし池のはた動かぬ水は雲を映せり
よりどなく風に揉まれゐし糸杉の大き影なす陽の入りぎはに
剝製のやうに目ばかり光らせて夜をゐるわれは何のけものか
忘れたるころに一つづつ咲く薔薇を思ひやさしくなりて眠りつ
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雲の地図
雲の地図
襟あしの荒れたる感じ身に残る楡のこずゑの風凪ぐときに
うづくまるいづこもわれの流刑地草抜けば草の臭ひがのぼる
地に低く視線向く日とさびしみて枇杷の花散るところを過ぎぬ
蝉殻に残る筈なき生きもののほてりを呼びててのひらに乗す
気づかれぬやうに通りぬさわだちて人々の寄る橋のかたはら
硝子戸にまばらにあたる雨の音死にたる魚は鱗しづけし
家にゐて職場にありてわが思ひ不意に短く喘ぐことあり
口径のかすかに一つ一つ違ふワインのグラス伏せてゆくとき
遠き雲の地図を探さむこの町をのがれむといふ妹のため
ひび入りの卵割りたる音の下思はぬ明るさに黄味の飛び出づ
犬と歩みくまぐまを知れる川原に今朝はまだらに雪の積もれる
噴水に遠くはなれし池のはた動かぬ水は雲を映せり
よりどなく風に揉まれゐし糸杉の大き影なす陽の入りぎはに
剝製のやうに目ばかり光らせて夜をゐるわれは何のけものか
忘れたるころに一つづつ咲く薔薇を思ひやさしくなりて眠りつ