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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
茎のごとくに(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku005021
タイトル. 版. 巻次
茎のごとくに
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
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雲の地図
タイトル関連(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
雲の地図
茎のごとくに
知られてはならぬことありかかはりもなきとき心かすか波だつ
曇りの空遠くひらけて見えゐるにややに青めりガラスの部分
何事を口走らむか意識失ふことなどのわれにありてはならず
待ち長き時間のごとし梔子の葉にとどまりて光るしづくは
もし馬となりゐるならばたてがみを風になびけて疾く帰り来よ
束縛は生くる限りと思へるに羊雲浮くうすく燃えつつ
撫で肩を喪服の絹におほひつつ鏡のなかのわれをうながす
真夏の夜の夢として思ふほかあらず片腕見えて指ひらきたり
見られゐることの苦しさ灯を消して埴輪の目をもわれは潰しつ
引き金を引かむばかりに張りつめてゐたりし時間夢と思へず
絵のなかの木の葉一枚そよぎをり臨終にわれはたれの声聞く
瞑りゐて見ゆるに堪へずみひらきてグラジオラスのつぼみを数ふ
死ののちも救はれたしと思はねどヒールの音のいつかととのふ
夜の霧に濡れとほり来し冷たさのままを眠らむ茎のごとくに
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雲の地図
茎のごとくに
知られてはならぬことありかかはりもなきとき心かすか波だつ
曇りの空遠くひらけて見えゐるにややに青めりガラスの部分
何事を口走らむか意識失ふことなどのわれにありてはならず
待ち長き時間のごとし梔子の葉にとどまりて光るしづくは
もし馬となりゐるならばたてがみを風になびけて疾く帰り来よ
束縛は生くる限りと思へるに羊雲浮くうすく燃えつつ
撫で肩を喪服の絹におほひつつ鏡のなかのわれをうながす
真夏の夜の夢として思ふほかあらず片腕見えて指ひらきたり
見られゐることの苦しさ灯を消して埴輪の目をもわれは潰しつ
引き金を引かむばかりに張りつめてゐたりし時間夢と思へず
絵のなかの木の葉一枚そよぎをり臨終にわれはたれの声聞く
瞑りゐて見ゆるに堪へずみひらきてグラジオラスのつぼみを数ふ
死ののちも救はれたしと思はねどヒールの音のいつかととのふ
夜の霧に濡れとほり来し冷たさのままを眠らむ茎のごとくに