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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
耳から醒めて(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku005024
タイトル. 版. 巻次
耳から醒めて
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
雲の地図
タイトル関連(カナ)
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デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
雲の地図
耳から醒めて
あつけなく終らむものをかげろふは光の膜のごとき翅持つ
鈴の鳴るごとき空気にくれなゐと白と木を分け咲く百日紅
固有名詞持つかと思ふひろがりて堪へてゐる木も枝折れし木も
同じ雲を見てゐる人と限らぬにかたち変りしことを思へる
濃き青となる木の茂み鶫らの身を固くしてひそまむころか
雨あとの微粒を帯びて屋根の上にガラスのやうな空が貼られつ
切り岸の隈より湧ける鳥のむれつぶて撒かれしさまに落ちゆく
死ぬことも一思ひならむ風景のやうにいつしか遠ざかりたし
山の端の低くかすかに染みてをり西へ向へる歩みと気づく
新しき黒もて黒を塗りつぶす分厚くわれの壁となるまで
冷えてゆく石のごとしととめどなき日のたそがれを雲の照り出づ
摘みためし花びらはみな黒き紙耳から醒めて音のさびしさ
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雲の地図
耳から醒めて
あつけなく終らむものをかげろふは光の膜のごとき翅持つ
鈴の鳴るごとき空気にくれなゐと白と木を分け咲く百日紅
固有名詞持つかと思ふひろがりて堪へてゐる木も枝折れし木も
同じ雲を見てゐる人と限らぬにかたち変りしことを思へる
濃き青となる木の茂み鶫らの身を固くしてひそまむころか
雨あとの微粒を帯びて屋根の上にガラスのやうな空が貼られつ
切り岸の隈より湧ける鳥のむれつぶて撒かれしさまに落ちゆく
死ぬことも一思ひならむ風景のやうにいつしか遠ざかりたし
山の端の低くかすかに染みてをり西へ向へる歩みと気づく
新しき黒もて黒を塗りつぶす分厚くわれの壁となるまで
冷えてゆく石のごとしととめどなき日のたそがれを雲の照り出づ
摘みためし花びらはみな黒き紙耳から醒めて音のさびしさ