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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
くつがへらねば(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku005032
タイトル. 版. 巻次
くつがへらねば
タイトル. 版. 巻次(カナ)
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雲の地図
タイトル関連(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
雲の地図
くつがへらねば
よこしまのことを思へるときのまのありて立ちゆく湯の沸く音に
堪へかねて手を放しなばばらばらにほどけて落ちてゆくわれならむ
思ひ切り押されしドアの荒ぶ見て出で行ける人をわれは見ざりき
黒板へ字を書く音と分るまでにしばし間のあり裏側にゐて
ときながく洗車の音のしてゐしが雨のひびきとなりつつ暗む
氷片をグラスに鳴らしゐて思ふ立ち去らむには体力も要る
あきらめて刃入れたるオレンジの果肉は赤し思へるよりも
隣の席の人のしてゐし耳飾り乗り換へてまだ意識を去らぬ
旅びとのやうには見えぬわれならむ道を問はるる朝に夕に
思ふさまくつがへらねば越えられず闇の遠くに耳二つ置く
牝牛ともわれともつかず黄の色を塗られてをりぬ大き蹄に
いづこにて焼かれむわれか金冠の小さき一つ奥歯に持ちて
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雲の地図
くつがへらねば
よこしまのことを思へるときのまのありて立ちゆく湯の沸く音に
堪へかねて手を放しなばばらばらにほどけて落ちてゆくわれならむ
思ひ切り押されしドアの荒ぶ見て出で行ける人をわれは見ざりき
黒板へ字を書く音と分るまでにしばし間のあり裏側にゐて
ときながく洗車の音のしてゐしが雨のひびきとなりつつ暗む
氷片をグラスに鳴らしゐて思ふ立ち去らむには体力も要る
あきらめて刃入れたるオレンジの果肉は赤し思へるよりも
隣の席の人のしてゐし耳飾り乗り換へてまだ意識を去らぬ
旅びとのやうには見えぬわれならむ道を問はるる朝に夕に
思ふさまくつがへらねば越えられず闇の遠くに耳二つ置く
牝牛ともわれともつかず黄の色を塗られてをりぬ大き蹄に
いづこにて焼かれむわれか金冠の小さき一つ奥歯に持ちて