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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
落ちてみひらく(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku006009
タイトル. 版. 巻次
落ちてみひらく
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
野分の章
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
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既刊目録名
デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
野分の章
落ちてみひらく
花文字をうづめて雪の降るといふ異国にもゐむはらからならず
死の日までせぐくまりものを書くならむ落ちてみひらく椿の花は
歩幅こまかに走る子犬を伴ひて歩みゐき人も犬もまぼろし
遠眼鏡の奥にとらへし稜線のかすかに青く吹雪けるも見つ
どの家も窓のかたちに灯のともる雪の夜ならむ遠きふるさと
自転車の二台渡りて行きしのみ橋の上にも雪は積もらむ
肩のやや落ちしと思ふ仮縫ひの鏡にながく向かはされゐて
乱したる呼吸はみづからが知れるのみ手を挙げて遠き車を招く
ハイウエイの夜霧に車を駆りゐつついつか失ふ急ぐ理由も
得しものは必ず失ふと知りながら諦めがたきまで持ち古りぬ
晩年の運ひらけむと言はれ来し手相見なほすすべなきものを
解きものをしをれば心落ちつきてみまかりし人の手などの見え来
切り詰めて再び生くる龍胆のみづみづと青しなんの証しに
黒真珠の粒余すなくつなぎ終へ少し短くなりし首飾り
生きものを飼ふすべもなきひとりゐの軒に来て鳴くいづこの鳩か
何もかももとのままよと見回してながき旅より戻れるに似つ
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野分の章
落ちてみひらく
花文字をうづめて雪の降るといふ異国にもゐむはらからならず
死の日までせぐくまりものを書くならむ落ちてみひらく椿の花は
歩幅こまかに走る子犬を伴ひて歩みゐき人も犬もまぼろし
遠眼鏡の奥にとらへし稜線のかすかに青く吹雪けるも見つ
どの家も窓のかたちに灯のともる雪の夜ならむ遠きふるさと
自転車の二台渡りて行きしのみ橋の上にも雪は積もらむ
肩のやや落ちしと思ふ仮縫ひの鏡にながく向かはされゐて
乱したる呼吸はみづからが知れるのみ手を挙げて遠き車を招く
ハイウエイの夜霧に車を駆りゐつついつか失ふ急ぐ理由も
得しものは必ず失ふと知りながら諦めがたきまで持ち古りぬ
晩年の運ひらけむと言はれ来し手相見なほすすべなきものを
解きものをしをれば心落ちつきてみまかりし人の手などの見え来
切り詰めて再び生くる龍胆のみづみづと青しなんの証しに
黒真珠の粒余すなくつなぎ終へ少し短くなりし首飾り
生きものを飼ふすべもなきひとりゐの軒に来て鳴くいづこの鳩か
何もかももとのままよと見回してながき旅より戻れるに似つ