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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
オーロラの布(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku006023
タイトル. 版. 巻次
オーロラの布
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
野分の章
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
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編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
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地名件名
地名件名(カナ)
地名件名(ローマ字)
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人名件名(カナ)
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内容年終
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内容細目(カナ)
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デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
野分の章
オーロラの布
仮面つけて大胆になるにもあらず降りしまく雪は白の闇なす
かかる夜のかつてもありき額に降る雪は涙のごとく垂りにき
片方の耳環落として帰り来ぬ耳も落として帰る夜あらむ
日中の電車に行けば駅の名のなべてやさしきひらがなの文字
身の内にとぢこめておく何ならむ黒のコートを分厚くまとふ
前歯もて手袋を脱ぎししぐさなど思はれて恋ほし雪の降る日は
喉の奥を覗き見られてゐし間何も見ざりしわれと気づきぬ
機械にてなし得ぬ部分を補ふが技術者といへり白衣に立ちて
血統といへるはわれも継ぐらむか働きすぎて若く死ににき
痩するなと言ひ呉るるなり身痩するは魂痩することの如くに
オクターブ下げて物言ふわが声に気づきぬ午後となりしゆとりに
動作から心を測るわが習ひわれを狭めてゐることも知る
降りて来て踊り場の鏡に映りたる足のかたちのけものめく日よ
風のやうにつねにありたき願ひなど願ひのうちに入らぬならむ
思ひゐしことを阻みて感光のうすきコピイが配られはじむ
橋の上に少女のゐしがブラインドのおろされしあといづく行きけむ
肉体の痛むかと思ふまで胸の痛む夜のあり職場のことに
死魚の浮く湾ありといふわが眠る畳の上といくばくの距離
眠られぬ夜々のあとまた生きてゐるのみに足らむと思ふ日つづく
夜の空を鳴きて渡るはひもじきか水をとめたる厨にきこゆ
スプーンなどの不意におもたく指先の熱にアルミの箔を曇らす
四十年も前に見しのみふるさとの石割り桜咲けリと伝ふ
匿まひたき一つ二つたれも持つならむ夜の桜を見むと連れだつ
たれもゐぬわが家ながらさゐさゐと机上さわだち待つ仕事あり
百合の花のみなひらきゐて空間をせばめられたる思ひに坐る
ハイウエイに出でて陽の差すバスの床少年らサイズの大き靴履く
甲子園も雨といへり雨にこもりゐて縫ひさしのコート縫ふにもあらず
人の口のかたちなど見えてゐたりしが電話を切ればまた雨の音
藤の花の咲ける明りと気づくまで無体に歩み来て立ちどまる
わがために織るとし聞けばいまだ見ぬオーロラのごとし一枚の布
スプレイに夏の香水詰めてゐて幾年も見ぬ海がひろがる
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野分の章
オーロラの布
仮面つけて大胆になるにもあらず降りしまく雪は白の闇なす
かかる夜のかつてもありき額に降る雪は涙のごとく垂りにき
片方の耳環落として帰り来ぬ耳も落として帰る夜あらむ
日中の電車に行けば駅の名のなべてやさしきひらがなの文字
身の内にとぢこめておく何ならむ黒のコートを分厚くまとふ
前歯もて手袋を脱ぎししぐさなど思はれて恋ほし雪の降る日は
喉の奥を覗き見られてゐし間何も見ざりしわれと気づきぬ
機械にてなし得ぬ部分を補ふが技術者といへり白衣に立ちて
血統といへるはわれも継ぐらむか働きすぎて若く死ににき
痩するなと言ひ呉るるなり身痩するは魂痩することの如くに
オクターブ下げて物言ふわが声に気づきぬ午後となりしゆとりに
動作から心を測るわが習ひわれを狭めてゐることも知る
降りて来て踊り場の鏡に映りたる足のかたちのけものめく日よ
風のやうにつねにありたき願ひなど願ひのうちに入らぬならむ
思ひゐしことを阻みて感光のうすきコピイが配られはじむ
橋の上に少女のゐしがブラインドのおろされしあといづく行きけむ
肉体の痛むかと思ふまで胸の痛む夜のあり職場のことに
死魚の浮く湾ありといふわが眠る畳の上といくばくの距離
眠られぬ夜々のあとまた生きてゐるのみに足らむと思ふ日つづく
夜の空を鳴きて渡るはひもじきか水をとめたる厨にきこゆ
スプーンなどの不意におもたく指先の熱にアルミの箔を曇らす
四十年も前に見しのみふるさとの石割り桜咲けリと伝ふ
匿まひたき一つ二つたれも持つならむ夜の桜を見むと連れだつ
たれもゐぬわが家ながらさゐさゐと机上さわだち待つ仕事あり
百合の花のみなひらきゐて空間をせばめられたる思ひに坐る
ハイウエイに出でて陽の差すバスの床少年らサイズの大き靴履く
甲子園も雨といへり雨にこもりゐて縫ひさしのコート縫ふにもあらず
人の口のかたちなど見えてゐたりしが電話を切ればまた雨の音
藤の花の咲ける明りと気づくまで無体に歩み来て立ちどまる
わがために織るとし聞けばいまだ見ぬオーロラのごとし一枚の布
スプレイに夏の香水詰めてゐて幾年も見ぬ海がひろがる