機関トップ
資料グループ
テキスト一覧
年表一覧
キーワード一覧
さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
トップページ
資料グループ選択
全短歌(10791首)(資料グループ)
をんなの手(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku006024
タイトル. 版. 巻次
をんなの手
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
野分の章
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
タイトルに関する注記
編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
出版者
出版者(カナ)
出版者(ローマ字)
出版年
出版年終
数量
形状
大きさ
大きさ(縦)
大きさ(横)
材質
形態に関する注記
保存状況
縮尺
その他の注記
言語
日本語
ISBN
ISSN
件名
件名(カナ)
件名(ローマ字)
地名件名
地名件名(カナ)
地名件名(ローマ字)
人名件名
人名件名(カナ)
人名件名(ローマ字)
内容年
内容年終
内容細目
内容細目(カナ)
内容細目(ローマ字)
解題・説明
解題・説明(英語)
来歴
来歴(英語)
所蔵機関
原資料の所在地
資料番号
管理記号
カテゴリ区分
図書
資料種別
資料分類(大分類)
資料分類(中分類)
資料分類(小分類)
文化財情報
manifest.jsonへのURL
参照データ
関連ページURL
関連画像URL
自治体史掲載
出版物・関連資料
翻訳元の言語
権利関係・利用条件
原資料の利用条件
権利関係・利用条件に関する注記
緯度・経度・高度に関する注記
DOI
既刊目録名
デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
野分の章
をんなの手
銀いろのマスコットキイ出でて来て陰画のごとしも過ぎにし日々は
黄の花の多き季節よ北国はたんぽぽも茎高く咲きにし
若き日のわが母を知るたれも亡し琴の爪のみ古りて残れる
五年目の春と思へど梨の木にくれなゐの花の咲くにもあらず
折りても折りても角を持つ一枚の領収書小さくたたみてバッグに収む
ひとすぢの雲さへあらね風のあと見えぬ乱れの宙に残れる
つくづくと働きて来し女の手翡翠の珠も似合はずなりぬ
アイロンは忽ち灼けて捌けむとしたる思ひのまたとどこほる
久しく弾かぬピアノの箱に溜りゐむ闇を思へり隣室にゐて
書類届けにきたる少女は三階の暑さを言ひて階下りゆく
確めていくたびも辞書を引く習ひみづから疎み人も疎まむ
裏側を見せぬ時間を殖やしつつわが裏側のつねにさわだつ
半製品の食物を買ひ薔薇を買ひ戻らむとするひとりの夜へ
岩塩のかたまりを秤りゐるシーン駱駝はゆるく尾を振りて待つ
見極めたきドラマのゆくへ明日の夜は早く帰れるとも決まりゐず
分量を超えたる布をとぢこめてわが身あわだつ洗濯機より
急速に春はたけつつ音立てて差し込むやうな日ざしとなりぬ
二車線に入りて速度を増すならむ桃咲く村もたちまちあらず
デッキより身を乗り出して振りゆける黄のスカーフのいつまでも見ゆ
かすかなる水の明りに飛ぶ一羽かもめももはやわが目に見えず
海からの光なりしか帰り来て白くかがよふ一枚の崖
忘れゐること多からむ野菜籠の底にまろべるレモン二粒
牝牛の顔のやさしさを照らす間もあらず忽ち褪せてしまふ茜よ
傾きて立ち直るわがくり返し夜のバスは灯の海を抜け出づ
捨てて来しものの次々立ちあがるけはひに寒し夜のそびらは
自動車の切れめをながく待ちてゐて黒犬に先に渡られてしまふ
一枚を剥げば白鳥ももうゐない湖となるわがカレンダー
いつのまに薬効きゐて夜半を往く電車の遠き音も聞え来
中心を失ひてゐる顔一つ朝の鏡に嵌めて紅刷く
ふりこぼしきたる鱗をたどりゆく道のごとしも夏の落ち葉は
ナビゲーション リンクのスキップ
野分の章
をんなの手
銀いろのマスコットキイ出でて来て陰画のごとしも過ぎにし日々は
黄の花の多き季節よ北国はたんぽぽも茎高く咲きにし
若き日のわが母を知るたれも亡し琴の爪のみ古りて残れる
五年目の春と思へど梨の木にくれなゐの花の咲くにもあらず
折りても折りても角を持つ一枚の領収書小さくたたみてバッグに収む
ひとすぢの雲さへあらね風のあと見えぬ乱れの宙に残れる
つくづくと働きて来し女の手翡翠の珠も似合はずなりぬ
アイロンは忽ち灼けて捌けむとしたる思ひのまたとどこほる
久しく弾かぬピアノの箱に溜りゐむ闇を思へり隣室にゐて
書類届けにきたる少女は三階の暑さを言ひて階下りゆく
確めていくたびも辞書を引く習ひみづから疎み人も疎まむ
裏側を見せぬ時間を殖やしつつわが裏側のつねにさわだつ
半製品の食物を買ひ薔薇を買ひ戻らむとするひとりの夜へ
岩塩のかたまりを秤りゐるシーン駱駝はゆるく尾を振りて待つ
見極めたきドラマのゆくへ明日の夜は早く帰れるとも決まりゐず
分量を超えたる布をとぢこめてわが身あわだつ洗濯機より
急速に春はたけつつ音立てて差し込むやうな日ざしとなりぬ
二車線に入りて速度を増すならむ桃咲く村もたちまちあらず
デッキより身を乗り出して振りゆける黄のスカーフのいつまでも見ゆ
かすかなる水の明りに飛ぶ一羽かもめももはやわが目に見えず
海からの光なりしか帰り来て白くかがよふ一枚の崖
忘れゐること多からむ野菜籠の底にまろべるレモン二粒
牝牛の顔のやさしさを照らす間もあらず忽ち褪せてしまふ茜よ
傾きて立ち直るわがくり返し夜のバスは灯の海を抜け出づ
捨てて来しものの次々立ちあがるけはひに寒し夜のそびらは
自動車の切れめをながく待ちてゐて黒犬に先に渡られてしまふ
一枚を剥げば白鳥ももうゐない湖となるわがカレンダー
いつのまに薬効きゐて夜半を往く電車の遠き音も聞え来
中心を失ひてゐる顔一つ朝の鏡に嵌めて紅刷く
ふりこぼしきたる鱗をたどりゆく道のごとしも夏の落ち葉は