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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
盲ひのゆゑに(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku006025
タイトル. 版. 巻次
盲ひのゆゑに
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
野分の章
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
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編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
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出版者(カナ)
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地名件名
地名件名(カナ)
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人名件名(カナ)
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内容年
内容年終
内容細目
内容細目(カナ)
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既刊目録名
デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
野分の章
盲ひのゆゑに
尾の太き石の狐を見て過ぎてきつかけを作り易きこころよ
人込みをかき分けてゐて突き出せるわれの左の肩を意識す
店先のワゴンの上は脱ぎ捨ててのがれし人らの靴のごとしも
もつと身を捩ぢて避け得しことありや日ぐれは影の深くなる街
樅の木を照らし出しては消して去るヘッドライトに時を刻まる
バスを待つもう一人来て街灯の光のなかに大き荷を置く
崖下にかかりて音のかしましき電車にゐたり何か紛れて
妹の在りしころよりふくろふの鳴かなくなりて幾年過ぎむ
散りがたのエリカの鉢を隣室へ移ししのみによく眠りたり
縫ひものをなすほかあらぬ一日と決むればやさし精出でてをり
彷徨ひて盲ひのゆゑにときのまの世に会ひ得たる二人なりしか
若き日のわれの不幸を知りゐたる最後の一人妹も亡し
かの里のならはしとしてはだしにて墓より帰りき世継ぎのわれは
留守のまになりと来りて漕ぎゆけよ在りし日のままに揺り椅子を置く
庭深く焼却炉据ゑてゐる家の木下闇のみ日々見て通る
きれぎれの記憶のごとく少年の声に九官鳥は物言ふ
棘を持つ葉がいきり立ち肉眼に何も見えない絵の前にゐつ
小さくて虫の顔なすわが顔を見いだす記念写真のなかに
仏像を仰ぎてをれば欲望の数だけの手を持つかと思ふ
帆先のみ見ゆるヨットとなりながら降るやうにをりをり掛け声届く
胴体をタオルに抑へ栓を抜くかかるときめきを久しく忘る
謎一つ掛けたるに似むわが歌の誤植を見てもあわてずなりぬ
われの持つ順応性にすぎざらむ人を励ますことも言ひつつ
夕刊に知るころ夜はくだちゐて茅の輪くぐりに今年も行かず
大きさの異なる石を置くやうに月の仕事の予定入れゆく
もの縫ひて一日ありしが何者に踏み込まれたる部屋かと思ふ
借り得たる男物の傘に全身を匿す魔力を持たせて帰る
四つ割りにしたるレモンの切り口のみづみづと黄の半月をなす
人は人と突き放すまでにいくばくの時間ありしや雨降りてゐる
吊り皮の高さにかなふ身丈持ちかくすこやかにわが両手あり
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野分の章
盲ひのゆゑに
尾の太き石の狐を見て過ぎてきつかけを作り易きこころよ
人込みをかき分けてゐて突き出せるわれの左の肩を意識す
店先のワゴンの上は脱ぎ捨ててのがれし人らの靴のごとしも
もつと身を捩ぢて避け得しことありや日ぐれは影の深くなる街
樅の木を照らし出しては消して去るヘッドライトに時を刻まる
バスを待つもう一人来て街灯の光のなかに大き荷を置く
崖下にかかりて音のかしましき電車にゐたり何か紛れて
妹の在りしころよりふくろふの鳴かなくなりて幾年過ぎむ
散りがたのエリカの鉢を隣室へ移ししのみによく眠りたり
縫ひものをなすほかあらぬ一日と決むればやさし精出でてをり
彷徨ひて盲ひのゆゑにときのまの世に会ひ得たる二人なりしか
若き日のわれの不幸を知りゐたる最後の一人妹も亡し
かの里のならはしとしてはだしにて墓より帰りき世継ぎのわれは
留守のまになりと来りて漕ぎゆけよ在りし日のままに揺り椅子を置く
庭深く焼却炉据ゑてゐる家の木下闇のみ日々見て通る
きれぎれの記憶のごとく少年の声に九官鳥は物言ふ
棘を持つ葉がいきり立ち肉眼に何も見えない絵の前にゐつ
小さくて虫の顔なすわが顔を見いだす記念写真のなかに
仏像を仰ぎてをれば欲望の数だけの手を持つかと思ふ
帆先のみ見ゆるヨットとなりながら降るやうにをりをり掛け声届く
胴体をタオルに抑へ栓を抜くかかるときめきを久しく忘る
謎一つ掛けたるに似むわが歌の誤植を見てもあわてずなりぬ
われの持つ順応性にすぎざらむ人を励ますことも言ひつつ
夕刊に知るころ夜はくだちゐて茅の輪くぐりに今年も行かず
大きさの異なる石を置くやうに月の仕事の予定入れゆく
もの縫ひて一日ありしが何者に踏み込まれたる部屋かと思ふ
借り得たる男物の傘に全身を匿す魔力を持たせて帰る
四つ割りにしたるレモンの切り口のみづみづと黄の半月をなす
人は人と突き放すまでにいくばくの時間ありしや雨降りてゐる
吊り皮の高さにかなふ身丈持ちかくすこやかにわが両手あり