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目録ID ku007026
タイトル. 版. 巻次 かなかなは今
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風水
かなかなは今
たどきなく雨の晴れまを出でて来て雌雄あるとふ銀杏を仰ぐ
噴水を身すがら浴びて立つ裸婦の像見てあればまだらに乾く
位置を替へ鳴きなほしつつ滅びゆくかなかなは今欅の梢
どのやうなわれと思ひて幼な子は小鳥の墓の前へいざなふ
さまざまの表皮撫で来ていつとなく磨滅はげしきてのひらならむ
覆ひがたき夏の荒びと思ふまで花々はみな葉を垂れて立つ
憎むべきものあるごとし梔子の若葉むしばむ青虫よりも
芝生より舞ひ出でし蛾はひらひらの落ち葉となりて吹かれてゆけり
ドラマとて模倣世界にすぎざらむ男の抱けるみどり児が泣く
突き落とす衝動に人も堪へゐしか怒濤見下ろしゐしかのときに
箱船に乗り得ざりしはかく集ひさしさはりなきことを言ひあふ
幾たびも電話に呼ばれつゆの世のわれと忘れてはなやぐ日あり
鍵を見に戻らむとするうす暗がり橋掛来る鬼に会はずや
なまじろき鱗をかさねゐたるのみ闇のなかなるあぢさゐの花
帰り来て外す指輪のころがればころがる向きを占はむとす
妹の逝きて八年坐らなくなりたる雛は立てかけて置く
迎へ火の炎のほかは見えずなりくぐまりゐたり夜の道の上
不用意に言ひたるならむ本音ならむのがれ得ぬまま一日をゐしか
待ち針を刺し替へをれば指先にかすかに影のゆき戻りする
女名の表札を掲げおくことのふとなまなまし二十年経て
一つづつ小石を置きて置きながら離りゆきたる人かと思ふ
噴水のほとりは人の影あらず土にかすかにカルキの匂ふ
玉すだれ咲くを言ひつつ見送りしうしろ姿の老いていませり
帰り来むたれかゐさうなこの夕べわれにひとすぢ修羅走りたり
あけぐれに醒めゐて思ふ水源は人の住まはぬさびしきところ