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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
花の香ならず(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku007036
タイトル. 版. 巻次
花の香ならず
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
風水
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
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編著者
編著者(カナ)
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地名件名(カナ)
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デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
風水
花の香ならず
純白の大きはちすの花ありきさはれば紙の音をたてにき
逝きしより八年を経ておもかげもいつしか写真の顔に定まる
つながれしままに眠れりはじめより犬のかたちに生れしのみに
出でてゆくけはひのせしが鉄のドア思はぬ大き音してしまる
なにげなく読みて畳みし広告の牛のまだらの目に残りたり
力ある二本の指に掏るといふ二本の指も人を狂はす
食事して夜更けの駅に別れしが調停などのいかになりけむ
その母に返して胸のさびしけれあたたかかりしみどり児の嵩
兵たりし昔を言ひて飲食を急ぐ習ひをみづから笑ふ
たのしみの少なきわれに仮縫ひを終へしコートの今日か届かむ
用一つ思ひ出しつつ横たへてある木の梯子見て通りたり
摑みたる手にやはらかにくびれたる何なりしかと目ざめて思ふ
思ひ来しことのくさぐさ相会ひて言葉となして何ぞはかなき
瀬戸物の触れあふ音のしてゐしが唐突の死をわれは願へる
ひろがりてたゆたひてゐるものならめ意識するときこころは固体
イタリアの厚地の絹も古びしに着れば落ちつくブラウスのあり
若くして逝きにしことも幸ひか時雨の寺をまからむとする
縫ひものを仕舞はむとゐて夜半に聞く秋の雷などさびしきものを
娘たちを嫁がすといふかなしみも知らず終らむわれとし気づく
手探りのごときひと日を終へて来て花の香ならず指に残れる
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風水
花の香ならず
純白の大きはちすの花ありきさはれば紙の音をたてにき
逝きしより八年を経ておもかげもいつしか写真の顔に定まる
つながれしままに眠れりはじめより犬のかたちに生れしのみに
出でてゆくけはひのせしが鉄のドア思はぬ大き音してしまる
なにげなく読みて畳みし広告の牛のまだらの目に残りたり
力ある二本の指に掏るといふ二本の指も人を狂はす
食事して夜更けの駅に別れしが調停などのいかになりけむ
その母に返して胸のさびしけれあたたかかりしみどり児の嵩
兵たりし昔を言ひて飲食を急ぐ習ひをみづから笑ふ
たのしみの少なきわれに仮縫ひを終へしコートの今日か届かむ
用一つ思ひ出しつつ横たへてある木の梯子見て通りたり
摑みたる手にやはらかにくびれたる何なりしかと目ざめて思ふ
思ひ来しことのくさぐさ相会ひて言葉となして何ぞはかなき
瀬戸物の触れあふ音のしてゐしが唐突の死をわれは願へる
ひろがりてたゆたひてゐるものならめ意識するときこころは固体
イタリアの厚地の絹も古びしに着れば落ちつくブラウスのあり
若くして逝きにしことも幸ひか時雨の寺をまからむとする
縫ひものを仕舞はむとゐて夜半に聞く秋の雷などさびしきものを
娘たちを嫁がすといふかなしみも知らず終らむわれとし気づく
手探りのごときひと日を終へて来て花の香ならず指に残れる