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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
壁の絵(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku008019
タイトル. 版. 巻次
壁の絵
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
印度の果実
タイトル関連(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
印度の果実
壁の絵
竜胆の花を生けをれば先の世も後の世もひとり棲むかと思ふ
過ぎてゆく足音ばかり音あらく氷を踏むは下校の子らか
色の無き葡萄摘みゐる夢なりき色無き房は手に重かりき
遠くまでものの見ゆる日見えざる日視界くらめて今朝は雪降る
雪の日の逆光のなかおのづから胸に手を当つマリアの像は
壁の絵の思はぬ隅に眼あり見られてあらむ幾つもの目に
棒立ちになりし白馬をゑがきたり馬の恐怖のよみがへるまで
ランタンを突き出して何を見たりしや絵のなかの女はただにみひらく
真人間といふ言葉不意に湧きて出づ自画像に光る眼見をれば
かなしみて人は過ぎゆき足もとにゑがかれし赤き花のみそよぐ
帰りゆく一人となりて立つバスにたれかかすかにポプリ匂はす
在り馴れしひとりの夕餉卓上の塩と胡椒をかそかに振りて
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印度の果実
壁の絵
竜胆の花を生けをれば先の世も後の世もひとり棲むかと思ふ
過ぎてゆく足音ばかり音あらく氷を踏むは下校の子らか
色の無き葡萄摘みゐる夢なりき色無き房は手に重かりき
遠くまでものの見ゆる日見えざる日視界くらめて今朝は雪降る
雪の日の逆光のなかおのづから胸に手を当つマリアの像は
壁の絵の思はぬ隅に眼あり見られてあらむ幾つもの目に
棒立ちになりし白馬をゑがきたり馬の恐怖のよみがへるまで
ランタンを突き出して何を見たりしや絵のなかの女はただにみひらく
真人間といふ言葉不意に湧きて出づ自画像に光る眼見をれば
かなしみて人は過ぎゆき足もとにゑがかれし赤き花のみそよぐ
帰りゆく一人となりて立つバスにたれかかすかにポプリ匂はす
在り馴れしひとりの夕餉卓上の塩と胡椒をかそかに振りて