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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
声もあげずに(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku009037
タイトル. 版. 巻次
声もあげずに
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
風の曼陀羅
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
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/ 11652ページ
関連目録
風の曼陀羅
声もあげずに
セロファンの音がどうしても立つゆゑにそのままいだく薔薇の花束
ときじくのまなかひに降る日照り雨光の粒を撒くごとく降る
ディオールかミツコか知れず差しかけて呉れゐし傘をのがれ来つれば
丈高くポインセチアはありにしを声もあげずに枯れてしまひぬ
右の手のぬくもる如し牛乳の昔の瓶を思ひてをれば
かすかなる地震のありて起きゐるは隣の犬とわれのみになる
紋章のいはれなどどうでも今はよく枯れ葉垂りゐる祖父の桐の木
単純な形のわが家われを入れ埴輪の家のごとくしづもる
痛きところの無き日は点字を打つといふ祈りにあらむ点字を打つは
白き布をのべたるごとき蕎麦の花ふるふると動く近くに見れば
どのやうななりゆきに大人七人の家族住みゐてひつそりとせり
山深く入れば呼びたくなるといふわれならばたれの名を呼ぶならむ
ねんごろの見舞ひなりしが去りぎはに人のいのちを測る目をせり
シャガールのリトグラフには花が咲き馬がゐて鳥がゐて人もゐたりす
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風の曼陀羅
声もあげずに
セロファンの音がどうしても立つゆゑにそのままいだく薔薇の花束
ときじくのまなかひに降る日照り雨光の粒を撒くごとく降る
ディオールかミツコか知れず差しかけて呉れゐし傘をのがれ来つれば
丈高くポインセチアはありにしを声もあげずに枯れてしまひぬ
右の手のぬくもる如し牛乳の昔の瓶を思ひてをれば
かすかなる地震のありて起きゐるは隣の犬とわれのみになる
紋章のいはれなどどうでも今はよく枯れ葉垂りゐる祖父の桐の木
単純な形のわが家われを入れ埴輪の家のごとくしづもる
痛きところの無き日は点字を打つといふ祈りにあらむ点字を打つは
白き布をのべたるごとき蕎麦の花ふるふると動く近くに見れば
どのやうななりゆきに大人七人の家族住みゐてひつそりとせり
山深く入れば呼びたくなるといふわれならばたれの名を呼ぶならむ
ねんごろの見舞ひなりしが去りぎはに人のいのちを測る目をせり
シャガールのリトグラフには花が咲き馬がゐて鳥がゐて人もゐたりす