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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
かたくりの花(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku010016
タイトル. 版. 巻次
かたくりの花
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
光たばねて
タイトル関連(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
光たばねて
かたくりの花
その道をまつすぐと電話に告げてよりぐんぐん近づく白の車体は
日を選ぶ習ひのわれに残りゐて古き傘のままマートまで行く
大時計はいづこも正午をさすならむ人まばらなる広場もあらむ
かそかなる収入のありて片栗の花をゑがかむ絵の具買ふとぞ
十人の子供預かり賑はへり間口の狭きビルの二階は
ぎざぎざの紙の王冠かぶりたる小さき王さまたちまちころぶ
仮面つけて鬼になりし子鬼のまま帰りてはならず祖母待つ家へ
煮立ちたる湯沸かしポットのカルキ抜くボタンを押して待つに間のあり
仙台の駄菓子いただくティータイム時計まはりに箱を回しぬ
三たび来てまた迷へるに理容室のサインポールが不意に目の前
たれかれの手を借りて昇る階段にあたたかき手と今宵も言はる
内臓を病むことのなき軽さよとアンティークドール棚に戻しぬ
中型の犬張子もて遊びしは幾百年も昔のごとし
釘の長さに区分されたる釘箱のいつよりかありいつまでかある
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光たばねて
かたくりの花
その道をまつすぐと電話に告げてよりぐんぐん近づく白の車体は
日を選ぶ習ひのわれに残りゐて古き傘のままマートまで行く
大時計はいづこも正午をさすならむ人まばらなる広場もあらむ
かそかなる収入のありて片栗の花をゑがかむ絵の具買ふとぞ
十人の子供預かり賑はへり間口の狭きビルの二階は
ぎざぎざの紙の王冠かぶりたる小さき王さまたちまちころぶ
仮面つけて鬼になりし子鬼のまま帰りてはならず祖母待つ家へ
煮立ちたる湯沸かしポットのカルキ抜くボタンを押して待つに間のあり
仙台の駄菓子いただくティータイム時計まはりに箱を回しぬ
三たび来てまた迷へるに理容室のサインポールが不意に目の前
たれかれの手を借りて昇る階段にあたたかき手と今宵も言はる
内臓を病むことのなき軽さよとアンティークドール棚に戻しぬ
中型の犬張子もて遊びしは幾百年も昔のごとし
釘の長さに区分されたる釘箱のいつよりかありいつまでかある