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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
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/ 11652ページ
目録ID
ku011007
タイトル. 版. 巻次
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形成
周辺
白く乾きしガーゼたためり対岸の灯が瞬きて見ゆる窓辺に
出世を望まば道もあらむと縁者らに思はれゐる事も知れり二人は
寝る前に焜爐に石油みたしおくならはしよ視野狭く生きつつ
星あかりに材木を積む音しをり終電を降りてよぎる空地に
真実は必ず通らむなどと説きて世事には疎き教師なりしよ
うちつけに理解さるると思はねどパンセの句引きて返事書き終ふ
何時までも合はぬ算盤に苛ちゆく西陽をまともに受くる座席に
耳ふさぎたき衝動に堪へて坐りゐつ人の言葉みな偽善めく夕べ
とり繕ひつつ報告書書く夜の事務所集り悪き会を終へ来て
校正に通ひ慣れたるこの坂のほとりに今年も山茶花咲けり
病身にて娶らぬ君が集め来し埴輪らあたたかき眼をしゐるかも
独り身も清しと言ひゐしが涙に濡れたる顔を直して帰りゆきたり
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形成
周辺
白く乾きしガーゼたためり対岸の灯が瞬きて見ゆる窓辺に
出世を望まば道もあらむと縁者らに思はれゐる事も知れり二人は
寝る前に焜爐に石油みたしおくならはしよ視野狭く生きつつ
星あかりに材木を積む音しをり終電を降りてよぎる空地に
真実は必ず通らむなどと説きて世事には疎き教師なりしよ
うちつけに理解さるると思はねどパンセの句引きて返事書き終ふ
何時までも合はぬ算盤に苛ちゆく西陽をまともに受くる座席に
耳ふさぎたき衝動に堪へて坐りゐつ人の言葉みな偽善めく夕べ
とり繕ひつつ報告書書く夜の事務所集り悪き会を終へ来て
校正に通ひ慣れたるこの坂のほとりに今年も山茶花咲けり
病身にて娶らぬ君が集め来し埴輪らあたたかき眼をしゐるかも
独り身も清しと言ひゐしが涙に濡れたる顔を直して帰りゆきたり