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目録ID ku011035
タイトル. 版. 巻次 遠景
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形成
遠景
何に倦める妹ぞ港を見にゆかむとせがまれて共に横浜へ来つ
道ばたに諍へる異人のそば過ぎて噴水ひかる公園に出づ
枯れ葦のさやぐ音聴けば乱反射してゐむ夜の水面を恋ふ
つきつめて思へることなべて遠景となりゆく如し朝霧ながる
しづかなる旅の終りよ外人墓地をかたへに見つつ坂くだりゆく
終戦を知らで逝きしを語りつつ慰むか父の忌の夜の母よ
G線の切れしままなるヴァイオリンのこと思ひ出でて夜半をひとり寂しむ
雪の夜の更けて寂しも遠くよりわが名呼びて近づく声はあらずや
原書にて読むリラダンの短編のたのしさも今日妹は告ぐ
嫁げば必ず不幸になると思へるや妹を帰してよりながく寂しむ
先生を持つが羡しと酔へる友に言はれしより涙ぐみて歩めり
送られて帰りし記憶寂しきにいつまでも道に斑雪は残る
静かなる影おく木立遠ければ虚しきものをまた恋はむとす
放埓の限りに小説書く夫を宿業のごとも或る夜は思ふ
幾千と知れぬ水鳥浮かびゐて四方八方鳴き声あがる
褐色にくぐまりゐしは何の鳥水をたたきて飛びたちゆけり
すきとほる翅などの背につきゐずや尾花のそよぐ道となりつつ
風景のぐらりと傾ぎ今われは堪へむとしをり野火の報いに
いくたびもシテの如くに立ち戻り舞ひて嘆かむ袖さへ持たず
シエーカーも使はずなりて久しけれ珈琲カップの奥にひそまる
帰りくる手負ひの獣を待つ如き夜々なりにしが過ぎてはるけし
鉛筆の軸にわが名を刻みゐき傷つかむ日のありとも知らず
吸ひ殻を溜めたるのみに夜の更けて雨にまじれる蟋蟀のこゑ
一つづついのちを持つといふ繭の一つにあらむわれのひと生は