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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
秋近く(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku011050
タイトル. 版. 巻次
秋近く
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
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/ 11652ページ
関連目録
形成
秋近く
秋づける日々雲の層深くして退嬰を拒むみづからのこゑ
母の死を告げてをさなき少女の手紙漁期過ぎし三陸の浜も憶ほゆ
藩史の空白埋めむてだてと托されて幾夜読みつぐ儒者の日録
うしろ向きの人のみ歩むユトリロの絵と見ゐて不意に心陥る
責め立つる自らの声にめざめたり夢の中にてわれははげしき
蒼みゆく花浮べつつ昏るる水愛憎を超えて会はむ日ありや
夜霧の底を歩みつつゐて何の花かわれを虐む香と思ひたり
靄厚き夜となりゐたり朱筆を洗ひたる水捨てに出づれば
職替へて東京に住むといふ夫の噂針磨きゐる母には告げず
まざまざと憎みて塗り潰しゐたりしが醒めては誰の像とも分ず
鰻とる細工して畦にゐる児らの下駄乾きつつ道にちらばる
先立てる背読みつつ従きゆくと朝より鈍りやすき心ぞ
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形成
秋近く
秋づける日々雲の層深くして退嬰を拒むみづからのこゑ
母の死を告げてをさなき少女の手紙漁期過ぎし三陸の浜も憶ほゆ
藩史の空白埋めむてだてと托されて幾夜読みつぐ儒者の日録
うしろ向きの人のみ歩むユトリロの絵と見ゐて不意に心陥る
責め立つる自らの声にめざめたり夢の中にてわれははげしき
蒼みゆく花浮べつつ昏るる水愛憎を超えて会はむ日ありや
夜霧の底を歩みつつゐて何の花かわれを虐む香と思ひたり
靄厚き夜となりゐたり朱筆を洗ひたる水捨てに出づれば
職替へて東京に住むといふ夫の噂針磨きゐる母には告げず
まざまざと憎みて塗り潰しゐたりしが醒めては誰の像とも分ず
鰻とる細工して畦にゐる児らの下駄乾きつつ道にちらばる
先立てる背読みつつ従きゆくと朝より鈍りやすき心ぞ