機関トップ
資料グループ
テキスト一覧
年表一覧
キーワード一覧
さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
トップページ
資料グループ選択
全短歌(10791首)(資料グループ)
雨季のうた(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku012011
タイトル. 版. 巻次
雨季のうた
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連
短歌
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
タイトルに関する注記
編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
出版者
出版者(カナ)
出版者(ローマ字)
出版年
出版年終
数量
形状
大きさ
大きさ(縦)
大きさ(横)
材質
形態に関する注記
保存状況
縮尺
その他の注記
言語
日本語
ISBN
ISSN
件名
件名(カナ)
件名(ローマ字)
地名件名
地名件名(カナ)
地名件名(ローマ字)
人名件名
人名件名(カナ)
人名件名(ローマ字)
内容年
内容年終
内容細目
内容細目(カナ)
内容細目(ローマ字)
解題・説明
解題・説明(英語)
来歴
来歴(英語)
所蔵機関
原資料の所在地
資料番号
管理記号
カテゴリ区分
図書
資料種別
資料分類(大分類)
資料分類(中分類)
資料分類(小分類)
文化財情報
manifest.jsonへのURL
参照データ
関連ページURL
関連画像URL
自治体史掲載
出版物・関連資料
翻訳元の言語
権利関係・利用条件
原資料の利用条件
権利関係・利用条件に関する注記
緯度・経度・高度に関する注記
DOI
既刊目録名
デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ
関連目録
短歌
雨季のうた
竹伐りが去りゆきしあとの藪乱れ沼にさしゐるながき夕映え
枯れ枝を踏みたる音にたじろげば林はいつか風やみてゐる
吸殻を沼に投げ捨て立ちゆけり何決意せし人にかあらむ
草むらに柵崩え残りまぼろしの胴輝ける馬歩み来る
最後のマツチを擦りて確めしおもかげなりき去りてはろけし
執拗に突堤の灯を砕きゐし波に次第に溶けつつ眠る
濡れ髪のままの眠りをぬけ出でて藻魚の雌は岩間さまよふ
蔓薔薇の咲きては褪せてゆく日々に太き土管は掘りあげられつ
裏返しのわれを見たしと言ひしとふ仕事の虫とも言ひゐしといふ
荷台より素足垂らして児が乗れりきしみつつゆく野の牛車
葉の折れし葱買ひ持てばすべなきに橋の下まで霧あふれゐる
いつのまに杉菜長けゐる水のほとりわが沈めたる斧も還るや
尖端に吊るされてゐし記憶にて耳を離れぬ点滴の音
煽られし楽譜を拾ふ時の間にドビユッシーもわれは逃がしてしまふ
夢に得て必死に握りゐしは何ばらばらに指を解きほぐしたり
姿見に脱ぎし手袋映りゐて囀り倦まぬインコと思ふ
丈長く切り来し菖蒲手向けつつ人に知られぬゆかりも過ぎぬ
一枚のてのひらをもて蔽はむに溢れて思ふことも少なし
風鈴の舌ひるがへり音絶ゆる束の間ありて風の過ぎゆく
底ひより蘇へる鐘の声を待ち夜々に弾く沈める寺のバラード
雨のあと靄流れつつ地の上は切り株殖えてゆくばかりなり
鉄骨の階ひびきあふ踊り場に海見しごときくるめきに会ふ
背伸びして妹の薔薇を覗くさまガラス透かして遠景に似つ
長雨の水を溜めゐむ壕の跡ほろびし墳の木々青みたり
枕木の間隔を読むごとく来て蛇を剥きゐる少年に会ふ
燭の火を消したるあとに蠟匂ふ言ひそびれたる言葉のごとく
暖国を恋ひゐし日々のよみがへり拇指立てて剥くザボンが匂ふ
行き暮れて樹氷の森に明かしたる一夜眠らぬために歌ひき
傘二つひろげて待てば妹はピアノに鍵をかけて出で来ぬ
遠景に触角のごときクレーン見え崩れし石の坂下りゆく
ナビゲーション リンクのスキップ
短歌
雨季のうた
竹伐りが去りゆきしあとの藪乱れ沼にさしゐるながき夕映え
枯れ枝を踏みたる音にたじろげば林はいつか風やみてゐる
吸殻を沼に投げ捨て立ちゆけり何決意せし人にかあらむ
草むらに柵崩え残りまぼろしの胴輝ける馬歩み来る
最後のマツチを擦りて確めしおもかげなりき去りてはろけし
執拗に突堤の灯を砕きゐし波に次第に溶けつつ眠る
濡れ髪のままの眠りをぬけ出でて藻魚の雌は岩間さまよふ
蔓薔薇の咲きては褪せてゆく日々に太き土管は掘りあげられつ
裏返しのわれを見たしと言ひしとふ仕事の虫とも言ひゐしといふ
荷台より素足垂らして児が乗れりきしみつつゆく野の牛車
葉の折れし葱買ひ持てばすべなきに橋の下まで霧あふれゐる
いつのまに杉菜長けゐる水のほとりわが沈めたる斧も還るや
尖端に吊るされてゐし記憶にて耳を離れぬ点滴の音
煽られし楽譜を拾ふ時の間にドビユッシーもわれは逃がしてしまふ
夢に得て必死に握りゐしは何ばらばらに指を解きほぐしたり
姿見に脱ぎし手袋映りゐて囀り倦まぬインコと思ふ
丈長く切り来し菖蒲手向けつつ人に知られぬゆかりも過ぎぬ
一枚のてのひらをもて蔽はむに溢れて思ふことも少なし
風鈴の舌ひるがへり音絶ゆる束の間ありて風の過ぎゆく
底ひより蘇へる鐘の声を待ち夜々に弾く沈める寺のバラード
雨のあと靄流れつつ地の上は切り株殖えてゆくばかりなり
鉄骨の階ひびきあふ踊り場に海見しごときくるめきに会ふ
背伸びして妹の薔薇を覗くさまガラス透かして遠景に似つ
長雨の水を溜めゐむ壕の跡ほろびし墳の木々青みたり
枕木の間隔を読むごとく来て蛇を剥きゐる少年に会ふ
燭の火を消したるあとに蠟匂ふ言ひそびれたる言葉のごとく
暖国を恋ひゐし日々のよみがへり拇指立てて剥くザボンが匂ふ
行き暮れて樹氷の森に明かしたる一夜眠らぬために歌ひき
傘二つひろげて待てば妹はピアノに鍵をかけて出で来ぬ
遠景に触角のごときクレーン見え崩れし石の坂下りゆく