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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
木などになれず(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku012018
タイトル. 版. 巻次
木などになれず
タイトル. 版. 巻次(カナ)
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関連目録
短歌
木などになれず
押しつけて机の上に置くときに見知らぬ枝のやうなわが手よ
みどり児のゆびさす方に何もあらずまぶしく空のひろがる日なり
人はみな円筒形をなして立つ赤信号に堰かれゐるとき
決して目を閉ぢてはならず線描のマーガレットは萎れてしまふ
足もとに降り積む雪を見てをれどさびしくてわれは木などになれず
書きさしの等高線がとぎれゐてこの崖を墜ちし君かと思ふ
窓ぎはのひひらぎ咲きてわが思ひ外へ外へと向ふ日のあり
約束の時を過ぎつつわがバスはタンクローリーとふたたび並ぶ
いきなり目隠しされてサラセンの駱駝か何かに奪ひ去られよ
フラメンコの衣裳の裾に鈴をつけどこまで運ばれゆきたるわれか
住む町のふるさとよりも遠き日かひとりひとりの歩幅が違ふ
われに気づき右手あげたる妹に黒の手袋させゐてさびし
クレーンに吊りあげられし鉄材がどこかで地上のわれと釣り合ふ
雪の野に残る枯れ木はむらさきの影を短く置きてしづまる
死にたるはいつまでも若くキャンバスをかかへて来るに幾たびか会ふ
真みどりのクレパスをもてぎざぎざの葉を逞しくたんぽぽは描け
夜の更けに蛇口を洩るる水の音昨日の音のやうにも思ふ
夢に見てながく忘れず蛹から出てゆくときのかの恐ろしさ
対岸の森のこころに重き日よそらしてもそらしても焦点が合ふ
何気なく顔の前にて擦るマッチ鋭き燃えをなすことのあり
暗き網におほわれしやうな道を来て夜は樹木の匂ひがはげし
アメーバのやうな一枚花びらの花の無数が夜空に開く
人間一人の骨の嵩ふと思ひたり落ちてしづまる棕櫚の葉の雪
知らざれば禍ならず吊り革にすがる手ばかり見えて立ちゐつ
バス降りし人ら夜霧のなかを去る一人一人に切りはなされて
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短歌
木などになれず
押しつけて机の上に置くときに見知らぬ枝のやうなわが手よ
みどり児のゆびさす方に何もあらずまぶしく空のひろがる日なり
人はみな円筒形をなして立つ赤信号に堰かれゐるとき
決して目を閉ぢてはならず線描のマーガレットは萎れてしまふ
足もとに降り積む雪を見てをれどさびしくてわれは木などになれず
書きさしの等高線がとぎれゐてこの崖を墜ちし君かと思ふ
窓ぎはのひひらぎ咲きてわが思ひ外へ外へと向ふ日のあり
約束の時を過ぎつつわがバスはタンクローリーとふたたび並ぶ
いきなり目隠しされてサラセンの駱駝か何かに奪ひ去られよ
フラメンコの衣裳の裾に鈴をつけどこまで運ばれゆきたるわれか
住む町のふるさとよりも遠き日かひとりひとりの歩幅が違ふ
われに気づき右手あげたる妹に黒の手袋させゐてさびし
クレーンに吊りあげられし鉄材がどこかで地上のわれと釣り合ふ
雪の野に残る枯れ木はむらさきの影を短く置きてしづまる
死にたるはいつまでも若くキャンバスをかかへて来るに幾たびか会ふ
真みどりのクレパスをもてぎざぎざの葉を逞しくたんぽぽは描け
夜の更けに蛇口を洩るる水の音昨日の音のやうにも思ふ
夢に見てながく忘れず蛹から出てゆくときのかの恐ろしさ
対岸の森のこころに重き日よそらしてもそらしても焦点が合ふ
何気なく顔の前にて擦るマッチ鋭き燃えをなすことのあり
暗き網におほわれしやうな道を来て夜は樹木の匂ひがはげし
アメーバのやうな一枚花びらの花の無数が夜空に開く
人間一人の骨の嵩ふと思ひたり落ちてしづまる棕櫚の葉の雪
知らざれば禍ならず吊り革にすがる手ばかり見えて立ちゐつ
バス降りし人ら夜霧のなかを去る一人一人に切りはなされて