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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
岸辺かここは(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku012038
タイトル. 版. 巻次
岸辺かここは
タイトル. 版. 巻次(カナ)
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/ 11652ページ
関連目録
短歌
岸辺かここは
大方は忘れて過ぐる死者にしてかすかにわれを縛ることあり
葉がくれに朴は花咲きひとすぢの水の流れのごとく匂ひ来
着替へして出でゆく用のあるはよし朝の声音に鳥も鳴くなり
コンサートのための暗譜をしてゐたり夢に出で来し少女のわれは
何をして冬を越ししや畦道は幅いっぱいに若草のいろ
山越えてあがる凧ありうら若き父とその子の走るならずや
くぐもれる声に鳴きつつゐる鳩の飛びたつときに音あらあらし
男言葉女言葉のけぢめなく語らひゆけり若き人らは
まる見えに立ちて一日働くはつらからむ白のハイヒール履く
いきいきとレジ打つさまに見とれしがうとむにもあらずわれの職場を
立ち退きの終れる広き工場跡古しり祠のありて残さる
母ならで聞くはうとまし幼な子のあたりかまはぬ声に泣くなり
遠き日に失ひてをり買物籠をみたして帰るよろこびなども
針金の錆びてまつはる垣などを予測してゐるわれかと思ふ
をりをりに炎あげつつ野火は燃え暮れゆく山のたちまち黒し
新幹線は動かずと言へり春雪に阻まれてしまふ逢ひなどあらむ
盤をかこみ老ひし人らのなす遊び球はぶつかりにぶき音立つ
三十年経て忘られず道だけが残りてゐたる空中写真
予測してゐたる通りに告げられて飛びのくやうな思ひをなせり
トルソーの胸にも深く響きゐむガラス戸に鳴る木々の嵐は
計算器のボタン押しつつ思ひ出づ暗算に母はひいでいましき
職場は地獄などと思ふにあらねど穴より出でし如くに歩む
つながねば見えぬ星座もさびしけれおぼろに高き春の夜の空
ひさびさの休日の朝わが庭の羊歯はけぶらふさまに茂りぬ
隠し絵の女の顔に見覚えのありてやさしく春の夜をゐる
飲み慣れし薬といへど散りやすくガラスの粉のやうなざらざら
振り向けば壁に立つ影声もなし流れ着きたる岸辺かここは
地球ごと滅ぶるは何時砂をゑぐる駱駝の足を画面は捉ふ
跳びはねて帰りゆきしがあやつりの狐も今は眠れるころか
どのやうに生きても一生繭なさぬ糸を吐きつぐ一生もあらむ
骨として埋めらるるまで幾日か死にたらむ後もいまいましけれ
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短歌
岸辺かここは
大方は忘れて過ぐる死者にしてかすかにわれを縛ることあり
葉がくれに朴は花咲きひとすぢの水の流れのごとく匂ひ来
着替へして出でゆく用のあるはよし朝の声音に鳥も鳴くなり
コンサートのための暗譜をしてゐたり夢に出で来し少女のわれは
何をして冬を越ししや畦道は幅いっぱいに若草のいろ
山越えてあがる凧ありうら若き父とその子の走るならずや
くぐもれる声に鳴きつつゐる鳩の飛びたつときに音あらあらし
男言葉女言葉のけぢめなく語らひゆけり若き人らは
まる見えに立ちて一日働くはつらからむ白のハイヒール履く
いきいきとレジ打つさまに見とれしがうとむにもあらずわれの職場を
立ち退きの終れる広き工場跡古しり祠のありて残さる
母ならで聞くはうとまし幼な子のあたりかまはぬ声に泣くなり
遠き日に失ひてをり買物籠をみたして帰るよろこびなども
針金の錆びてまつはる垣などを予測してゐるわれかと思ふ
をりをりに炎あげつつ野火は燃え暮れゆく山のたちまち黒し
新幹線は動かずと言へり春雪に阻まれてしまふ逢ひなどあらむ
盤をかこみ老ひし人らのなす遊び球はぶつかりにぶき音立つ
三十年経て忘られず道だけが残りてゐたる空中写真
予測してゐたる通りに告げられて飛びのくやうな思ひをなせり
トルソーの胸にも深く響きゐむガラス戸に鳴る木々の嵐は
計算器のボタン押しつつ思ひ出づ暗算に母はひいでいましき
職場は地獄などと思ふにあらねど穴より出でし如くに歩む
つながねば見えぬ星座もさびしけれおぼろに高き春の夜の空
ひさびさの休日の朝わが庭の羊歯はけぶらふさまに茂りぬ
隠し絵の女の顔に見覚えのありてやさしく春の夜をゐる
飲み慣れし薬といへど散りやすくガラスの粉のやうなざらざら
振り向けば壁に立つ影声もなし流れ着きたる岸辺かここは
地球ごと滅ぶるは何時砂をゑぐる駱駝の足を画面は捉ふ
跳びはねて帰りゆきしがあやつりの狐も今は眠れるころか
どのやうに生きても一生繭なさぬ糸を吐きつぐ一生もあらむ
骨として埋めらるるまで幾日か死にたらむ後もいまいましけれ