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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
つひに紅薔薇(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku012040
タイトル. 版. 巻次
つひに紅薔薇
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
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短歌
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/ 11652ページ
関連目録
短歌
つひに紅薔薇
水量のつねに戻りてしづかなる川のほとりのをもだかの花
いづくまで行く魂か流木のかたちに流れつくことのあり
芥ともあらずときをりひるがへり流るるもののふと反照す
浅き瀬に何のひそむやかすかなる水の濁りの見えて音無し
わだかまる藻のかたまりに波は来て力を試すさまに引き摺る
呼ぶ声の水にひびかひ草むらにもう一人ゐて少年のこゑ
うづ高く積まれし落ち葉おのづから声吐くごとしどこか崩れて
乱るるはわれのこころと思ふまで収穫終へしキャベツの畑
倒れたる萩を起こしてゐる人に振り向かれつつ歩み来にけり
会ひがたき人のみにして石仏の祠を示す道しるべ立つ
音の無き時間ながれて石蕗を離れし蝶のいづくへ帰る
はすかひに飛べるフリスビー帰り来て黄の鳥の如く草生に沈む
窓にさす陽をカーテンにやはらげて何か吊りあふ思ひにゐたり
ガラス絵の薔薇の花びらすきとほる幾重かさねてつひに紅薔薇
若き子を死なしめし人のおもむろに立ち直る日々を共に働く
トロイメライ久しく鳴らすこともなくオルゴール置く二階の部屋に
戻り得ぬ家かと思ふ入院の車のバックミラーに見つつ
運ばれて来てなす朝餉体温よりやや温かし流動食は
吸呑を濯ぎてをれば効用に合はせて作られしもののかたちよ
病室にわれのみとなるときのあり滝なして降る暮れがたの雨
霧のなかに斜塔のごとき見えながら眠りゆきたり点滴のあと
緊急を告げて呼ばれし医師ならむ雑音のみの放送終る
病室の片隅に置くハイヒール癒えて履く日のいつとも知れず
忙しき職場なれども光差す場所のごとくに病みをれば恋ふ
獄中のくらしも知らずたぐへつつ嵐の夜半をながく醒めゐる
癒えて再びこの病院を出で得なば身を粉にしてなすことのあれ
みまかりて空きたる部屋に病む人の間なく入り来て点滴を受く
薔薇あまた挿せる病室持ちて来し小さき辞書は開くことなし
向う側は小児病棟子どもらのつむり幾つも並ぶことあり
十日ばかりを苦しみてわれの去りゆくに命のきはを病む人多き
あやつりの糸のもつれて立ち得ぬと病みつつ見たる夢のきれぎれ
トランプの占なひをして夜にをれば隣の部屋はくらやみの箱
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短歌
つひに紅薔薇
水量のつねに戻りてしづかなる川のほとりのをもだかの花
いづくまで行く魂か流木のかたちに流れつくことのあり
芥ともあらずときをりひるがへり流るるもののふと反照す
浅き瀬に何のひそむやかすかなる水の濁りの見えて音無し
わだかまる藻のかたまりに波は来て力を試すさまに引き摺る
呼ぶ声の水にひびかひ草むらにもう一人ゐて少年のこゑ
うづ高く積まれし落ち葉おのづから声吐くごとしどこか崩れて
乱るるはわれのこころと思ふまで収穫終へしキャベツの畑
倒れたる萩を起こしてゐる人に振り向かれつつ歩み来にけり
会ひがたき人のみにして石仏の祠を示す道しるべ立つ
音の無き時間ながれて石蕗を離れし蝶のいづくへ帰る
はすかひに飛べるフリスビー帰り来て黄の鳥の如く草生に沈む
窓にさす陽をカーテンにやはらげて何か吊りあふ思ひにゐたり
ガラス絵の薔薇の花びらすきとほる幾重かさねてつひに紅薔薇
若き子を死なしめし人のおもむろに立ち直る日々を共に働く
トロイメライ久しく鳴らすこともなくオルゴール置く二階の部屋に
戻り得ぬ家かと思ふ入院の車のバックミラーに見つつ
運ばれて来てなす朝餉体温よりやや温かし流動食は
吸呑を濯ぎてをれば効用に合はせて作られしもののかたちよ
病室にわれのみとなるときのあり滝なして降る暮れがたの雨
霧のなかに斜塔のごとき見えながら眠りゆきたり点滴のあと
緊急を告げて呼ばれし医師ならむ雑音のみの放送終る
病室の片隅に置くハイヒール癒えて履く日のいつとも知れず
忙しき職場なれども光差す場所のごとくに病みをれば恋ふ
獄中のくらしも知らずたぐへつつ嵐の夜半をながく醒めゐる
癒えて再びこの病院を出で得なば身を粉にしてなすことのあれ
みまかりて空きたる部屋に病む人の間なく入り来て点滴を受く
薔薇あまた挿せる病室持ちて来し小さき辞書は開くことなし
向う側は小児病棟子どもらのつむり幾つも並ぶことあり
十日ばかりを苦しみてわれの去りゆくに命のきはを病む人多き
あやつりの糸のもつれて立ち得ぬと病みつつ見たる夢のきれぎれ
トランプの占なひをして夜にをれば隣の部屋はくらやみの箱