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目録ID ku012055
タイトル. 版. 巻次 珊瑚珠
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短歌
珊瑚珠
ゆられつつ片頬ほてるバスのなか花を齎すやうに訪ひたき
石臼のずれてかさなりゐし不安よみがへりつつ遠きふるさと
墓土に萌えたつはこべ抜き来しが母のはげしき性継ぎ得るや
受け取れる紙幣透かして見し女わが分身のやうに近づく
いかならむ立願をして掲げたる古びし絵馬に残る蛇の画
河原に漁れる鷺ら足枷を不意に解かれしやうに飛び立つ
枯れ枝をつたひて垂るる烏瓜に伸べて連理にうときわれの手
終電のあとの夜更けに貨車通ふ遠き響きも住み古りて知る
眼裏に犇く古き墓のなか白々と寂し母の墓標は
生蕃のやうにわめきて目醒めしが換気塔鳴る現も暗し
住みつきしころより残る切り株と仔犬をつなぐをりふしに恋ふ
児らが待つ小鳥も棲まず年越えて枯れ木の瘤となりゆく巣箱
何遂げむ思ひともなし噴水と呼吸合ふまで立ちつくしゐて
電光ニュースのとぎれし字句をつなぐ恣意蘇り来よかの同志
手袋のままダイヤルを廻しゐて不在を願ふ貌紛れなし
妹の弾かむワルツを選びをり分ち得る幸なほあるに似て
雪割草の鉢かたはらに寄せ呉れて旅の終りの朝餉ととのふ
岬まで行かずに戻る冬のバス午後の日は浅く沖に差しゐて
南面の傾斜に苺の花光りホース延べつつ人のぼりゆく
雪山の遺品をかこむ環のなかに確かめがたき死を恋ひゐたり
流亡の歌ごゑか湧く夜の壁に風を呼びつつ暖爐燃ゆれば
罪障のごとくときめき飾窓に血珠と謂へる珊瑚珠ありき
笹原を漕ぎてゆきたる夢にしてわが鋤きゐしはいづくの耕地
徐行せる車つらなり過ぎしあと坂は夜光の看板が立つ
炭火匂ふ部屋に待ちゐて口約のむなしさなどを思ふみづから
風道を阻む夜の木々揉み合へりつたなき別辞交はして来しに
人混みを擦り抜けし時渡されて割符のやうな散らしをたたむ
いつとなくわれの纏へる影に似て敏く曇りを張る銀の匙
半音階追ひ詰むるやうに弾きゐしが黒鍵はつねに右に影置く
銀糸もて下絵埋めゆく刺繍より遅々としてわが日々の糊塗あり