/ 11652ページ
目録ID ku013001
タイトル. 版. 巻次 盲ひのゆゑに
タイトル. 版. 巻次(カナ)
タイトル. 版. 巻次(ローマ字)
タイトル関連 短歌現代
タイトル関連(カナ)
タイトル関連(ローマ字)
欧文タイトル
タイトルに関する注記
編著者
編著者(カナ)
編著者(ローマ字)
出版者
出版者(カナ)
出版者(ローマ字)
出版年
出版年終
数量
形状
大きさ
大きさ(縦)
大きさ(横)
材質
形態に関する注記
保存状況
縮尺
その他の注記
言語 日本語
ISBN
ISSN
件名
件名(カナ)
件名(ローマ字)
地名件名
地名件名(カナ)
地名件名(ローマ字)
人名件名
人名件名(カナ)
人名件名(ローマ字)
内容年
内容年終
内容細目
内容細目(カナ)
内容細目(ローマ字)
解題・説明
解題・説明(英語)
来歴
来歴(英語)
所蔵機関
原資料の所在地
資料番号
管理記号
カテゴリ区分 図書
資料種別
資料分類(大分類)
資料分類(中分類)
資料分類(小分類)
文化財情報
manifest.jsonへのURL
参照データ
関連ページURL
関連画像URL
自治体史掲載
出版物・関連資料
翻訳元の言語
権利関係・利用条件
原資料の利用条件
権利関係・利用条件に関する注記
緯度・経度・高度に関する注記
DOI
既刊目録名
デジタル化の経緯に関する注記
/ 11652ページ

関連目録
ナビゲーション リンクのスキップ
短歌現代
盲ひのゆゑに
尾の太き石の狐を見て過ぎてきつかけを作り易きこころよ
人込みをかき分けてゐて突き出せるわれの左の肩を意識す
店先のワゴンの上は脱ぎ捨ててのがれし人らの靴の如しも
もつと身を捩ぢて避け得しことありや日ぐれは殊に影深き街
樅の木を照らし出しては消して去るヘッドライトに時を刻まる
バスを待つもう一人来て街灯の光のなかに大き荷を置く
崖下にかかりて音のかしましき電車にゐたり何か紛れて
妹の在りしころよりふくろふの鳴かなくなりて幾年過ぎむ
散りがたのエリカの鉢を隣室へ移ししのみによく眠りたり
縫ひものをなすほかあらぬ一日と決むれば優し精出でてをり
彷徨ひて盲ひのゆゑにときのまの世に会ひ得たる二人なりしか
若き日のわれの不孝を知りゐたる最後の一人妹も亡し
かの里のならはしとしてはだしにて墓より帰りき世継ぎのわれは
留守の間になりと来たりて漕ぎゆけよ在りし日のままに揺り椅子を置く
庭深く焼却炉据ゑてゐる家の木下闇のみ日々見て通る
きれぎれの記憶のごとく少年の声に九官鳥は物言ふ
棘を持つ葉がいきり立ち肉眼に何も見えない絵の前にゐつ
小さくて虫の顔なすわが顔を見いだす記念写真のなかに
借り得たる男物の傘に全身を匿す魔力を持たせて帰る
仏像を仰ぎてをれば欲望の数だけの手を持つかと思ふ
帆ばかりの見ゆるヨットとなりながら降るやうにをりをり掛け声届く
胴体をタオルに抑へ栓を抜くかかるときめきを久しく忘る
謎一つ掛けたるに似むわが歌の誤植を見てもあわてずなりぬ
われの持つ順応性にすぎざらむ人を励ますことも言ひつつ
夕刊に知るころ夜はくだちゐて茅の輪くぐりに今年も行かず
大きさの異なる石を置くやうに月の仕事の予定入れゆく
もの縫ひて一日ありしが何者に踏み込まれたる部屋かと思ふ
人は人と突き放すまでにいくばくの時間ありしや雨降りてゐる
四つ割りにしたるレモンの切り口のみづみづと黄の半月をなす
吊り革の高さにかなふ身丈持ちかくすこやかにわが両手あり