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さいたま市立大宮図書館/おおみやデジタル文学館 ―歌人・大西民子―
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全短歌(10791首)(資料グループ)
夕占(目録)
/ 11652ページ
目録ID
ku061003
タイトル. 版. 巻次
夕占
タイトル. 版. 巻次(カナ)
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短歌研究
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/ 11652ページ
関連目録
短歌研究
夕占
夜行バスの窓より見えて星かげと山あひの灯とまたたきかはす
失ひし版圖を憶ふごとくゐて草なびくとき尾根光る見ゆ
遺されし埴輪まもりて一日ゐき砂に足あと沈めつつゆく
月の夜の鴟尾は照りつつたかむらのけぶかき圍繞よりのがれ得ず
向き替えて來し埴輪ゆゑ月のかげうつろなる目にさすときあらむ
推し量り思ふ自在を寂しめり生きておはせし日より續きて
遠き空に花火あがれる夜なりしがつらぬきがたきことも知りゆく
出口の一つふさぎて本を積める部屋究極の砦のごとき思ひす
はぐれゆく心をつなぎとむるごと受話器の奥に鳴るオルゴール
わかちもつ密計もなくて歩みつつ一人は石を湖の面に抛ぐ
指組める塑像の胸の隈ふかし執して思ふことにもあらず
夕占をこころむるがに仰ぐ空母さへわれの絆となるな
電光にをりふし深く射られつつぞめく森あり夜のまなかひに
空席の一つをめぐる確執に遠くしてわが書庫のあけくれ
塑像にてしづかに双手あげゐたり雨に八つ手の花のけぶらふ
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短歌研究
夕占
夜行バスの窓より見えて星かげと山あひの灯とまたたきかはす
失ひし版圖を憶ふごとくゐて草なびくとき尾根光る見ゆ
遺されし埴輪まもりて一日ゐき砂に足あと沈めつつゆく
月の夜の鴟尾は照りつつたかむらのけぶかき圍繞よりのがれ得ず
向き替えて來し埴輪ゆゑ月のかげうつろなる目にさすときあらむ
推し量り思ふ自在を寂しめり生きておはせし日より續きて
遠き空に花火あがれる夜なりしがつらぬきがたきことも知りゆく
出口の一つふさぎて本を積める部屋究極の砦のごとき思ひす
はぐれゆく心をつなぎとむるごと受話器の奥に鳴るオルゴール
わかちもつ密計もなくて歩みつつ一人は石を湖の面に抛ぐ
指組める塑像の胸の隈ふかし執して思ふことにもあらず
夕占をこころむるがに仰ぐ空母さへわれの絆となるな
電光にをりふし深く射られつつぞめく森あり夜のまなかひに
空席の一つをめぐる確執に遠くしてわが書庫のあけくれ
塑像にてしづかに双手あげゐたり雨に八つ手の花のけぶらふ