ビューア該当ページ

(一二五)上條 麻

286 ~ 286 / 897ページ
 【上條舒嘯の妻】上條麻は麻田侯の世臣、中村道格(諱は政順)の女で、享保三年三月出生、十七歳堺奉行所の興力上條舒嘯(諱は郡弘)に嫁した。延亭三年舒嘯歿し、男德夫尚幼年なので同僚渡邊玉山の二男君平を養ふて家を嗣がせたが、幾何もなく君平歿し、德夫相尋いで亦歿するに及び、公美を養ふて嗣とした。【婦德に女巧を兼ね】麻、賦性敦厚和順、嘗て慍色なく、舅姑に事へて醇厚に、婦德女巧該ねざるものはなかつた。【墓所】霜居四十餘年、寬政二年四月行年七十三歳を以て歿し、遍照寺先兆の次に葬つた。(墓誌)