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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(一二五)上條 麻
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【上條舒嘯の妻】
上條麻
は麻田侯の世臣、中村道格(諱は政順)の女で、享保三年三月出生、十七歳
堺奉行所
の興力上條舒嘯(諱は郡弘)に嫁した。延亭三年舒嘯歿し、男德夫尚幼年なので同僚
渡邊玉山
の二男君平を養ふて家を嗣がせたが、幾何もなく君平歿し、德夫相尋いで亦歿するに及び、公美を養ふて嗣とした。【婦德に女巧を兼ね】麻、賦性敦厚和順、嘗て慍色なく、舅姑に事へて醇厚に、婦德女巧該ねざるものはなかつた。【墓所】霜居四十餘年、寬政二年四月行年七十三歳を以て歿し、
遍照寺
先兆の次に葬つた。(墓誌)