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第一編 人物誌
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第三章 爛熟期(大阪陣より明治維新迄)
(三一五)肖椎寺隱士
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【種村氏】
肖椎寺隱士
は種村氏、堺の著姓である。【武術に長ず】少壯弓馬に長じた智勇兼備の士である。【隱栖】天正の頃には諸方の合戰に英名を馳せたが夙に隱栖の志を抱き、慶長の頃漸く老を感ずるに及び、居を江戸或は京都に卜した。廣く和漢の學を硏き又詩歌を善くし、參禪に力めた。寬永の初年迄京都に居つたが、爾來
泉南
に閑居し、【
澤庵
と交る】
澤庵
宗彭と相知り、深く交つた。
澤庵
羽前上ノ山に配流の際は遠く之を謫居に訪ひ、且棉衣等の數點を贈つた。歿年、世壽等は詳かでない。(明暗雙雙集卷之六)