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(一二)寶樹寺

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 寶樹寺森榮山と號し、【位置】中之町東三丁字寺町にあり、淨土宗知恩院末で、寺格能分一等、【沿革】もと念佛の一道揚であつたが、永祿元年四月深蓮社然譽永公善永精舍を創建した。第八世圓蓮社證譽專我は、貞享元年三月本堂及び庫裏等を再建し、天明二年正月檀徒小間物屋辰女亡女亡孫追福の爲に鐘樓を建立し、梵鐘を鑄造して之に架けた。明治五年湊村寶國寺を合併し、同四十四年一月庫裏其他を改築した。(寶樹寺記錄)【本尊】本尊阿彌陀如來、【堂宇】本堂、庫裏、鍾樓、納家、位牌所、門あり、境内四百三十坪。(社寺明細帳)【常昭筆三尊佛】本堂須彌壇後背張壁の釋迦、文殊、普賢三尊佛は、土佐光起晚年の筆で、土佐將監入道常昭の落款がある。【土佐家の位牌】當寺は土佐家の檀那寺なるが如く、左の靈位三基がある。
 「圓照院 一光久翌居士 靈位 慶長十八癸丑年五月五日 土佐光吉
 「歸 元 儀覺宗仁信士 靈位 寬永十五寅正月十六日 源左衞門尉光則」「壽光院 靈譽常昭居士 靈位 元祿四年辛未九月二十五日 光起」