成就寺は大法山と號し、【位置】宿屋町東三丁字寺町にあり、日蓮宗本圀寺末で、寺格紫金襴跡。【開基】應永十三年十月法光院日驗其師日傳の命を受け、來つて寺を建て法を攝、泉の間に弘通した。天文年中京都六條本圀寺の化主日助、法亂を避けて此處に駐錫すること七年に及んだ。【六條の稱呼】故に當寺を俗に六條と呼ぶ。(社寺明細帳、和泉名所圖會卷之二)【舊塔頭】寶永元年の記錄には本地院、玄龍院、要泉坊、安住院、十如院、聖主院、本行院の七支坊の名が見えて居る。(堺南北寺院塔頭之諸出家印鑑帳)【本尊】本尊十界曼荼羅、境域千九百八十七坪を有し、【堂宇】中央に方十間の本堂聳え、拜所、客室、庫裏、玄關、納屋、土藏、門番所等相並び、外に方七間の祖師堂、番神堂あり、繞らすに牆壁を以てし、三方に門がある。(社寺明細帳)【什寶】什寶に多聞天黃金像一軀、傳嵯峨天皇宸筆紺紙金泥妙經八軸、明國皇子筆紺紙金泥無量品一册、尊鎭法親王筆消息一幅、九條關白忠良筆日蓮大菩薩號一幅、宗祖日蓮筆十界曼荼羅一幅、豐臣秀吉消息一幅、日朗上人安陀衣一枚、唐畫十六羅漢四幅、古畫還城樂屛風片雙等がある。