【所在】正法寺の遺址は東湊町に存してゐる。同所は堺アルミニウム工場の東、新池の西、日本煉瓦會社工場の南、舳松村字南舳松人家の北に當る一劃の田地で、今に正法寺址、鹽穴の俗名を田地名に遺してゐる。正法寺は所謂中之町東三丁にある正法寺の前身地か否かは不明であるが、恐らく同寺であらうと云はれてゐる。(前田長三郞氏談)【出土品】同所の出土品は主として古瓦で、中には鎌倉時代の蓮花模樣疏瓦或は唐草模樣の花瓦の破片等もあり(前田長三郞氏所藏正法寺址出土品、三宅雄一氏所藏正法寺址出土品)現に同所耕作者は再三古瓦を拾得したといふ。(荒木忠常氏談)