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縄文人から近世アイヌへ

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 これらの結果を総合すれば、道南西部の続縄文時代恵山期の人々は、いちじるしい多様性を示しながらも、全体としてみれば、縄文人から近世道南アイヌへの形態に移行していく過程にある、と考えて良さそうである。
 なお、大阪大学解剖学教室は有珠善光寺遺跡から、縄文晩期から近世にいたるまでの二十数体の人骨を発掘しているが、その研究結果によれば、縄文晩期から時代とともに頭骨が徐々に繊細化し、しだいに近世アイヌの形態に近づいていく、ということである。