十二年二月、札幌より南方四里の厚別山に水車器械所の築造を着手した。柾挽三、大円鋸一、柾鉋二、小円鋸一、横切鋸二、鏇床一、八二馬力水車二基を設備し、事務所一棟及び付属舎八棟を築造した。厚別は木材資源が豊富で水利の便が良いためである。ここは蒸気、水車両器械所所属とし、十三年二月完成した。
以上が工業局所属の七器械場で、六年六月三日付開拓使の局課組織編成替で工業局管下に入ったものである。これらの製作場で角材、板材、屋根柾挽割、農具、車、橇、建具、家具、鍋、釜、鰊釜、諸機械、度量衡の製造と修繕を行い、開拓に大きく貢献した。