なお銀行としては東京第四十四国立銀行が十一年札幌・小樽・根室に支店を設け、漁業者らに資金を供給していたといわれる。しかし同銀行は十五年の不況下、業務不振で九月に東京第三国立銀行と合併、本道の営業は引き継がれた。十六年私立山田銀行が函館に設立されると、第三国立銀行は北海道の業務を山田銀行に譲っている。山田銀行は資本金一〇万円、本店を函館に、支店・出張所を小樽、根室、札幌に設けた。大蔵省・農商務省・北海道事業管理局の現金取扱いとともに一般銀行業務を行ったが、事業管理局の廃止とともに官金取扱いを免ぜられた。以後、状況が悪化して二十四年七月に閉店している。