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民間銀行の助長

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 三県一局制を廃して北海道庁を設け、全道を統一して拓殖行政に当たらせた明治十九年(一八八六)は、政府が不換紙幣の整理を終え、兌換制度を実施した年である。以降道庁は、個人に対して直接保護を廃して間接助長政策をとり、官設の企業は補助を与えて漸次民業に移す方針とし、開拓使以来の官貸金を処分し、水産税を軽減し出港税を廃して人々の負担を軽減するなど、民間企業興隆の促進につとめた。この時期、顕著な現象としては銀行の増設増資が見られ、それら官金を取扱わない銀行は利息を高くして預金を集め、高利貸をしたり物品売買から株券、不動産の売買など利益の出るものはなんでもやるなど、全くの金貸兼物品売買業のようなものであった。二十六年七月、銀行条例が実施され銀行の組織も一定され、政府の監督の下に法律上の保証を得ることになり、そのため銀行の信用も増し、従来官金の取扱いを主としたものも漸次民間の金融機関として活動するに至った。