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街路への散水

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 現在の札幌でも、俗に馬糞風という突風が吹いて市民を悩ませている。舞い上がる砂塵防止のために、明治二十三年街路取締規則(道庁令第六五号 明22・11・20)で、炎天下や風の日に街路に散水することになっていた。三十四年五月散水が励行されないため、道庁から各衛生組合へ、怠慢者は相当の処分をすると各戸に注意するよう指示があった(道毎日 明34・5・25)。翌年八月にも警察署長より衛生組合へ、各戸に注意して実行させるように指示があった(北タイ 明35・8・7)。三十九年八月、衛生組合では共進会開会期日が近いので、街路の臨時大掃除をすることに加えて、共進会開催中一日四回ずつ街路へ散水することにした(北タイ 明39・8・14)。しかし十分行われなかったようだ(北タイ 明39・9・15)。その後大正二年には衛生組合から区長に対し、馬鉄会社に区内の馬鉄線路内へ散水させることを交渉するよう要請する決議がなされた(北タイ 大2・1・21)。三年になると衛生組合では、区内交通頻繁なる街路に散水する意見書を区長へ提出することにした。記事では来年度からの実施を楽観視している(北タイ 大3・5・28)。しかし実際に札幌区の予算に組み込まれるのは大正六年度で、衛生費第八項街路撒水費二五〇円が計上された。翌七年は開道五〇年を記念した博覧会という大行事があり、市中の散水も行われた。そのため、区の予算でも一五三五円と前年の六倍以上を計上した。ついで八年度はその半額の七二一円となる(七章一節写真2「札幌区内の水撒き」参照)。