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貯金組合と納税組合

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 貯金組合は税金の完納、軍事費の支援、金融互助機関、災害の準備、生活の質素倹約、貯蓄思想の普及などのさまざまなことを目的として、地区・学校・職場・団体などで各種の組合が作られ運動が展開されていた。また、「戊申詔書の聖旨を奉体」する事業や明治四十四年八月の皇太子行啓記念事業としても、この頃はさかんに取り組まれていた。特に内務省が指導した地方改良の重点には貯蓄奨励、税金滞納の矯正があり、道庁や役場でも組合設置の指導を強めていた。
 円山では貯金組合である円山惟信組合を四十四年一月に創設している。この組合は「戊申詔書の聖旨を奉体」して「小資金を集合し低利を以て組合員に貸与し一の金融機関となし、経済的に使用して産業の発達を計る」(殖民公報 第六二号)ことを目的としており、五年計画で毎月一口につき五〇銭ずつ貯金することになっていた。四十四年の組合員は二〇八人(五一四口)であり、ほぼ全戸が加入していたようである。円山ではもと三十七年一月に同様な貯金組合が組織されていた。
 この時期に各町村では戊申詔書との関連で地域・職場ごとに納税組合の設置が推進されていく。特に積極的に推進されていた豊平町では、大正五年から地方改良表彰式とともに納税表彰式を開始している。