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その他の女工

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 製麻女工、製糸女工、麦酒工場の女工以外にも、当時の札幌の工場で働く多くの女工がいた。表22は、明治四十二年から大正九年にかけての製麻・製網・綱・縄、製糸、活版・印刷・製本といった業種別女子工場労働者数を示したものである。すでに述べた業種においても、たとえば製麻・製網関係は、大正三年の第一次大戦勃発と同時にぐんと増加し、七年には明治四十二年以下に減少している。それと反対に製糸女工の減少は製糸業の衰退を明確に語っている。さらにもう一つ目につくのは、大戦と同時期に女工数を伸ばしていく活版・印刷関係、麦酒、製粉・精米関係、大戦後に女工を多く採用した製菓、乳製品、鉄道・苗穂工場、木材加工関係である。これらは、大戦を境に札幌の工場数が二倍となり、木工場、鉄工場、精米・製粉工場が増加したといわれているが(北タイ 大9・2・21)、女子工場労働者数についても同様な推移をたどっているといえよう。
表-22 札幌区業種別女子工場労働者数
業種明42大3大7大9
製麻・製網・製綱・縄743人1013人683人734人
製糸(絹糸)1106175
活版・印刷・製本50744070
製菓50140
麦酒15225256
乳製品4148
鉄道・苗穂工場2867
製綿34
味噌・醤油234
木材加工846
製粉・精米10333941
札幌区統計一班』(明43,大4,8,10年)より。