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札幌神社の整備

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 札幌神社は国家神道の強化、敬神思想の高揚とともに社格に合った境内や周辺の整備が推進されていくようになる。まず昭和三年に北一条西二五丁目に所在する第一鳥居が、円山会が御大典記念として改修、奉献し七月八日に落成奉告祭が行われた。そして十一月三日には第二鳥居から至る二五〇メートルの表参道が、地崎宇三郎の寄付によって改修工事が実施され、その竣工奉告祭が行われている。
 境内では昭和四年八月に神楽殿の修繕、六年十月十日に斎館、参集所の竣工、八年十二月十二日に社務所の移転・増築による奉告祭が行われ、施設の整備が漸次進められていたが十一年以降に本格的に開始されていく。十一年四月に就任した池田清道庁長官は「敬神崇祖の権化」(北タイ 昭12・1・15)といわれ、神宮への昇格とともに拝殿、社殿の改築に主眼を注いでいた。十一年九月に陸軍大演習が本道で実施され、昭和天皇も札幌神社へ参拝する予定となっていたので、一六万円の予算で境内の整備と本殿の改築を計画していた。その予算は十二年度にはさらに三七万円へと増額され、その内訳は国費四万円、地方費(道費)六万円、全道町村割当四万円、札幌敬神講社三万円、一般特別寄付二〇万円であり(北タイ 昭12・2・10)、境内を北海道総鎮守に相応した偉観に整備して神宮昇格へのステップを意図したものとみることができる。
 さらに十三年に至ると皇紀二六〇〇年記念事業として、本殿の造営を一〇〇万円の事業費で行うことが道庁により立案されたが、まもなく神社の造営・改修も節約の対象とされこの計画は中止となったが、外苑の整備は札幌神社とともに皇紀二六〇〇年記念事業で五年間に六五〇町歩を計画し、十四年五月三十日に苗園播種祭が行われている。