官社・神職の組織には明治四十一年九月五日に創立された北海道神職会がある(大2・11・27札幌支会を創設)。同会は昭和十二年七月十九日に北海道神社協会と改称するが、さらに大日本神祇会が創設されると同会の北海道支部(支部長・戸塚九一郎道庁長官)に改組し、十七年二月二十四日に初理事会を開き、五月七日には一六〇人の会員を集めて総会が開催されていた。なお、札幌部会も四月二十二日に創設となり、部会長に三沢寛一札幌市長が就任し、大麻の頒布、家庭祭祀講習会・敬神講話会の開催などの活動を行っていた。
一方、十五年四月から宗教団体法が施行され、宗教団体を国民教化の機関として掌握、統制されていくようになる(神社神道は「国民的儀礼」としてこの宗教団体から除外されていた)。翼賛体制のもとではさらに統制が強化となり、「三教合同」が進められていくようになる。十七年二月には神道、仏教、キリスト教の三教合同で宗教団体戦時中央委員会が結成されて全国大会が東京で開かれていたが、北海道でも九月八日に全道の大詔奉戴宗教報国大会が市公会堂で一七〇〇人の関係者を集めて開催され、その後に「北海道ニ於ケル神仏基三教間及官庁トノ連絡ヲ図リ、戦時下ニ於ケル宗教団体ノ活動ヲ敏活適正ナラシムル機関」として北海道委員会も創設されていた(道庁広報)。この組織は十九年九月に文部省が主管する大日本戦時宗教報国会に拡大となるが、道庁長官が支部長に就任した北海道支部も設置され、北海道神道教派聯合会、北海道仏教会、北海道基督教聯合会などの宗教団体が統合され、国家による完全な宗教管理体制がとられることになった。