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町村議会の役割

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 町村議会は職務権限の中における予算の決定、決算の認定(さらには村長の選出)などを通じて行財政をチェックする権能を有していたが、諸町村の中でそれらのチェック機能が顕在化した事例を藻岩村でみてみよう。
 昭和十年八月に特別税・戸別割の基礎となる所得・資産額が村会で決定した後にもかかわらず、変更して賦課されたことに対して高田金之助村議は、町村制第四二条に基づき事務監査の検閲を求めることを建議した。村でもその誤りを認め、「将来再ヒ斯ル事ナキ様注意スル処アルヘシ」と陳謝した(藻岩村 昭和十年議決書)。十一年度の一般会計予算を、理事者側は特別税・戸別割を三割増額して一〇万六〇四一円を提案したのに対して、議会で全員が増額に反対して二割に減額するなどして一〇万二七三七円に修正をはかっていた(藻岩村 昭和十一年議決書)。
 また、十一年十二月に発生した北一条通の舗装費負担問題でも、無施策を露呈した理事者に代わって村議・村会では、臨時村会の開催、受益者負担を課せられた沿道住民への補助などの建議、さらには村民大会の開催などで村理事者への不信決議、札幌市への糾弾活動などを起こし、村世論をリードする役割をになっていた。このようなことは、理事者側の権限が強い当時の町村制度にあってはまったく稀なことではあるが、議会のチェック機能が働いた好例であったといえる。