補充兵になると、通常は服役年の第一年(すなわち徴集年の翌年)に一二〇日以内(のち一八〇日)の教育召集があり、歩兵の場合は徴集年の翌年四月から翌々年三月三十一日までの間になされた。さらに服役四年目には三週間の勤務演習に召集されるほか、戦時事変にあたっては赤紙令状により充員召集(部隊の要員を充足するための召集)、臨時召集(充実召集後さらに欠員を補充するための召集)された。
　さらに予備役後備役の下士兵卒及び第一補充兵を点検、査閲、教導するための簡閲点呼が行われた。軍隊で教育を受けた人は、その服役間に五回の点呼を受けなければならなかった。検査を受けた翌年を第一年として隔年に一回ずつ行われる。軍隊で教育を受けない人は四回で通常は二年おきに行われた。自分がいつ点呼を受けなければならぬのか複雑であるが、市制直後の予定は表28のようになっており、札幌市における点呼の実績は表29の通りである。なお、陸軍簡閲点呼は札幌市内の小学校、大学、市役所等を会場としたが、海軍では小樽港の軍艦で行うこともあった。