大正七年開通した定鉄は、昭和三年増資をして電化計画をたてた。四年五月には電化工事の認可を得て、電化工事を開始した(
定山渓鉄道株式会社の各年度営業報告 交通博物館蔵)。十月二十五日に定山渓鉄道の東
札幌~定山渓間が高速度電車として運転を開始した。また豊平駅の位置を若干ずらして地方費道
札幌浦河線(現国道36号線)の市電豊平駅前に新駅舎を建設した。また真駒内と滝の沢の両停留場を停車場に変更し、終点定山渓駅の手前に錦橋駅を新設した(北タイ 昭4・20・25)。さらに六年七月には
北海道鉄道会社線の苗穂東
札幌間を通じて電車を省線の苗穂駅まで連絡した(
定山渓鉄道株式会社第拾七期営業報告書)。同年定山渓乗合自動車合資会社より
札幌定山渓乗合自動車、一般貸切貨物並びに乗客自動車運転営業に関する一切の権利と財産を譲受して、七年から
札幌駅定山渓間のバス事業も開始した(同前 第拾八期営業報告書)。
写真-11 定鉄電車開通を伝える小樽新聞(昭4.10.25)に掲載された温泉の鳥瞰図