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起訴・公判

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 警察限りで釈放される場合を除き、被疑者は検事局に送検され、そこで取調のうえ、起訴・起訴猶予・不起訴の処分がなされる。三・一五事件での札幌の起訴者は一二人で、小樽・室蘭などの起訴者とともに、札幌地裁の公判に付された。十月二十四日より開始された公判において、被告人たちは拷問による自白の強要などを暴露したが、四年一月十日の論告で地裁検事局の村上検事は「重大ナル案件デアリ国体擁護ノ為メ被告人等ニ対シテハ重刑ヲ以テ望マナケレバナラム」として、武内や沼山らに懲役八年の求刑をおこなった。二月二日の判決では、札幌関係の一一人は全員有罪となった(武内・沼山は懲役六年、九津見は懲役四年)。執行猶予となった二人を除いて、沼山らは控訴した(以上、内務大臣宛北海道庁長官各報告)。