八月下旬、連合軍総司令部からカーペンター大佐ら五人が千歳に空路乗り込み、札幌グランドホテルほか、主要な建物の接収を決めていった。さらに九月二十二日には連合軍総司令部のハートマン代将が、翌二十三日には第九軍団参謀副長のロイス大佐らが札幌入りした。十月一日来札の第九軍団設営主任のブライヤー大佐は、「道側の差し出した接収建物リストは問題にせず、直ちに丸井デパート屋上航空灯に上り、道庁、逓信局、グランドホテル、大同生命ビル、市役所など主だった建物を次々と指示、接収を命じた」(高橋昭夫 証言 北海道戦後史)。ただ、道庁と市役所は行政の混乱を招くとの陳情が功を奏し、接収をまぬかれた。道庁はトイレ不足のため、米軍は敬遠したともいう。
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写真-1 中心部の接収建物調査 |