五月に改選後初の市議会が開催され、正副議長の選挙と常任委員の選任がなされることとなった。これに際して、札幌市市議会で初めて交渉団体としての会派が結成された。前期においても会派は存在したが、必ずしも会派単位での議会活動が行われていたわけではなかった。今期においては、民主党議員一六人に自由党と一部の無所属議員が加わった第一議員倶楽部二六人、無所属議員の鐘風会一五人、社会党五人、労農党一人、無所属一人という会派分けがなされ、会派結成届けが議会事務局に提出された。
今期市議会は会派構成に変化はなかったが、以下のような対立が生じた。昭和二十六年十一月の市選挙管理委員会委員の選任問題と市職員の待遇改善決議について、第一議員倶楽部案に鐘風会と社会党が共同戦線を張って対抗し、第一議員倶楽部案が撤回された(道新 昭26・11・23)。二十七年九月、町村合併検討のための境界変更調査特別委員会設置案をめぐっては、これを第一議員倶楽部の総選挙目当ての売名行為と非難する社会党・鐘風会が本会議で退場戦術に出、第一議員倶楽部は議長を含めた定数ぎりぎりで単独採決して可決した。十月の市議会選出教育委員の選任問題では、第一議員倶楽部内の改進党(民主党の後身)議員による提案に対して自由党・無所属議員が反発し、鐘風会に同調して本会議では鐘風会議員が教育委員に選出された(道新 昭27・10・25)。