二十一年には官業や官公署、公立学校にも「時代の波」が押し寄せる(道新 昭21・1・26)。一月二十五日、道会議事堂で道庁警察部職員を含む一五〇〇人が「北海道庁職員会」結成大会を開催し、二月九日、団体交渉権確認、反民主主義官吏退陣、給与改善等の要求事項を決議した(のち警察官などを除き、北海道庁職員組合として再発足)。道庁職員会結成と同じ日、道新などの支援で結成大会を開いた市交通事業所労組も緊急要求事項を決議し、二十八日には第一回市長交渉に入ったが、規約ができるのは九月になってからである(札交労四十年史)。二月には「札幌市役所職員会」が結成大会を開催し、反民主主義幹部退陣など一二項目の要求事項を決議したが(道新 昭21・2・15)、市役所職員組合となるのは五月になってからであり、また二月十四日に道新従組の規約を参考に誕生した札幌市教員組合は、のち北教組札幌市支部となる(北教組 組合史 第一巻)。市内最大規模の苗穂工機部従組も同月、官製の国鉄事業所道委員会総会に反発した鉄道委員や職場準備委員の会議で、「満場一致」綱領、規約を決定して発足し(苗工労働組合史 第一巻)、後に他の国鉄関係組合と合流して国鉄労組の一支部となった。同様に郵政・電話関係事業所組合も全逓信従組に統合するなど、官公系組合も民間と同様、にわか仕立てが多く、事業所別組織結成が先行した。その後の組織整備や再編などもあるために、各組合の設立期日は表19のほか資料によって一致しないが、三月二十六日には、組合員規模が苗穂工機部従組につぐ札幌進駐軍常備労務者労組(昭23札幌進駐軍要員労組)も誕生し、二十一年四月末現在の民間・官公系を合わせた市内の登録単位組合数は八〇組合・二万四〇九人となった(表18)。