ビューア該当ページ

保健所の増設

673 ~ 674 / 1021ページ
 昭和二十六年に市の人口は三三万人に達した。一つの保健所では対応しきれなくなったことから、二十七年に二番目の保健所として西保健所(大通西19)を開設し、その後は表14のように人口増加と町村合併による市域拡大へ対応させるため次々と増設し、公衆衛生第一線の保健所網が整備されていった。三十六年度から、全国画一的であった保健所運営が地域の実情に即して推進されることになり、都市型の札幌はこれまで力を入れていた結核・乳幼児・妊産婦などの各種集団検診などを民間・一般医療機関に任せ、重点を低所得者層の健康相談・食品衛生監視、公害対策に置くことになった(道新 昭36・4・19)。三十七年に各保健所の試験検査室を統合し、新しく市立衛生試験所を中央保健所庁舎内に設置、機構を疫学課・理学課・公害検査課の三課に整備し、従来の伝染病や食中毒、臨床検査に加えて公害・大気汚染の両検査係を新設した。人口増加と産業の発展、車社会の到来により市内河川の水質汚染や粉塵・煤煙・食品添加物など高度で多様な環境・衛生問題に対応する時代に入っていくことになった(札幌市衛生研究所年報 昭50)。
表-14 保健衛生施設の開設状況
設置年施設名開設・改称経過等
昭23年札幌中央保健所9年庁立札幌健康相談所として開設。19年保健所法により庁立札幌保健所となる。23年政令市令により北海道から札幌市に移管。27年中央保健所に改称。
昭27年札幌西保健所27年市立健民病院(大通西19)を改築して開設。30年琴似合併により所管区域が拡大。40年北7条西25丁目に移転,42年手稲町合併により所管区域拡大。
昭33年札幌東保健所33年札幌北保健所として開設,札幌駅以北,丘珠,篠路,新琴似所管。37年21万人。47年東保健所と改称。
昭36年札幌白石保健所36年札幌東保健所として開設,菊水,白石所管,36年豊平町合併により区域拡大,42年30万人。厚別所管,47年白石保健所と改称。
昭37年札幌衛生試験所37年中央保健所内に設置。
昭44年札幌南保健所44年札幌南保健所開設,東保健所より平岸,石山,定山渓,真駒内を分離所管。
『北海道保健所長会二十周年記念誌』,『市勢要覧』より作成。