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死因別の変遷と平均寿命

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 表17は二十五~四十七年までの主要死因別変遷である。札幌市民の死因第一位は長期にわたり結核が占めていたが、初めて二十七年にその位置を中枢神経系の血管損傷に譲った。これは全国に遅れること一年後である。続いて脳卒中(昭31)、悪性新生物(がん 昭47)と成人病が上位三位までを占め、四十年代に入ると交通事故を含む不慮の事故による死亡が第四位(昭43~47)を占めた。
表-17 主要死因順位・対人口1万人比率の推移
種別
年次
第1位第2位第3位
死因比率死因比率死因比率
昭25結核21.3中枢神経系の
血管損傷
10.3悪性新生物9.3
 26結核14.7中枢神経系の
血管損傷
11.1悪性新生物8.6
 27中枢神経系の
血管損傷
11.5結核9.3悪性新生物8.2
 28中枢神経系の
血管損傷
11.2悪性新生物8.4結核8.0
 31脳血管疾患10.5悪性新生物8.0結核5.4
 34脳血管疾患10.3悪性新生物9.1全心臓の疾患5.5
 37脳血管疾患11.2悪性新生物9.3全心臓の疾患4.9
 40脳血管疾患10.9悪性新生物8.9全心臓の疾患4.5
 43脳血管疾患11.2悪性新生物9.6全心臓の疾患5.9
 46脳血管疾患10.0悪性新生物9.4全心臓の疾患6.2
 47悪性新生物9.8脳血管疾患9.1全心臓の疾患7.9
『札幌市衛生年報』より作成。

 ついで戦後の平均寿命は飛躍的に伸びた。昭和十年に男四五・八四歳、女四八・一六歳(以下「歳」を略す)であったのが二十三年には男五一・〇、女五七・九七、高度成長初期の三十年に男六三・二九、女六七・二八となった。以上は北海道の数値であるが、札幌市独自の最初の数値である四十五年には男七〇・七七、女七六・〇一となり、二十三年に比較して男女ともに二〇歳も伸びていた。札幌市の平均寿命は北海道および全国に比べそれぞれ男女とも一・五歳高い(昭45)。寿命の伸びた要因は乳幼児死亡の激減と結核による死亡者数の減少であり、加えて伝染病で容易に死ぬことがなくなったことや、保健医学の発展も大きく影響した。以降、寿命の伸びとともに高齢化社会に移行し、新しい課題に直面することになる。