昭和二十一年六月、北大双眸会が『双眸』を創刊した。初代編集人の井上泰男と二代目の平城照介は二十二年四月発足の北大法文学部で西洋史学を専攻した第一期生である。二十二年四月に四号を出して終刊したが、匠秀夫「世界史の動向と哲学の反省」(二号)、平城照介「死のかげの世界―〝風たちぬ〟と〝菜穂子〟」(四号)などを載せた。二十一年七月には総合文芸雑誌『リベルタ』と『赤煉瓦』が創刊された。『リベルタ』は水島宣、金田一昌三などが編集にあたり、小説に早川三代治、石塚喜久三、林房雄、詩に浅野晃が寄稿している。二十二年六月までに六冊出している。『赤煉瓦』は北海道庁職員組合が組合意識向上と文化活動の高揚に貢献することを目指して刊行された職場文芸誌の第一号である。五十七(一九八二)年五月まで二七冊を刊行して休刊したあと復刊して今日に至っている。『赤煉瓦』からは八重樫実、橋崎政、比良信治、脇哲、工藤欣弥、永井浩、八子政信、三浦一世などの小説家、詩人を輩出した。二十二年十二月には『文芸復興』も創刊された。編集人は金田一昌三で『リベルタ』の後継誌である。小説に武田泰淳、多田裕計、八木義徳、評論に佐古純一郎、板垣直子、早川三代治、詩に草野心平を起用し、北大教官の風巻景次郎、高橋義孝、木村彰一なども寄稿している。二十三年三月まで三冊刊行。